Nathan East の感想

※サンプル画像 クリックで拡大します

ネイザン・イーストは、学生時代から、アール・クルー、ボブ・ジェームズ、小田和正はじめ、驚くほど多くのミュージシャンの縁の下の力持ちとしてリズム・セクションを支えてきた重鎮と敬愛して参りました。ブルーノート東京でもベースに日章旗のシールをアレンジする大の親日家。今回のアルバムは、そんなネイザンがベーシストの枠を超えて、音楽家兼プロデューサー兼ヴォーカリストとしての多才ぶりを堪能できる素晴らしい作品、音楽の万華鏡に仕上がっております。アルバムとしては、やや詰め込み過ぎの感はありますが、一聴の価値あり。強く推薦いたします。

良い意味で、アクがなく気持ち良く聴けるポップアルバム。
エリック・クラプトン、スティーヴィ・ワンダー、レイ・パーカーJr.など、誰から書いていいかわからないほど凄いメンバーですが、ネイザン・イースト本人も含め､これみよがしなフィーチャーリングがなく、誰もがごく自然にアンサンブルに溶け込んでいます。ジャンルもロック､ファンク、ボサノバ風ナンバー、ジャズ/フュージョン、果てはビートルズの超有名曲まで登場､編成も様々ですが、何の違和感も突出した感もありません。
聡明で巧みなプロダクションで、アメリカのポピュラー音楽の底力を感じさせてくれます。
唯一これは完全に好みの問題ですが､M13"Madiba", M14"America the Beautiful" は「いささか壮大過ぎじゃあるまいか」と感じたので（気持ちはわからなくもないんですが…）星ひとつ減らしました。