山のある家 井戸のある家―東京ソウル往復書簡 の感想
参照データ
タイトル | 山のある家 井戸のある家―東京ソウル往復書簡 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 津島 佑子 |
販売元 | 集英社 |
JANコード | 9784087748574 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 日本のエッセー・随筆 » 近現代の作品 |
購入者の感想
『離れ部屋』の作者申京淑と、津島佑子の往復書簡。津島祐子はNHK朝の連続小説「純情きらり」の原作『火の山――山猿記』の作者、ということで、人気作家だ。『ナラ・レポート』などの話題作も少なくない。津島は太宰治の娘だが、異母妹太田治子ほど父について語っていない。この本を読んで、語りたがらないのだと知った。
津島佑子はアイヌ文化などマイノリティー文化に造詣が深く、かつて日本の植民他だった朝鮮の文化にも強い関心を持っていて、そういった素地が申京淑との往復書簡の形をかりた誌上対談を興味深いものにしている。
申京淑はもともと私小説的傾向の強い作家で、作家としての自己が登場し、その生き方自体を問う、というか煩悶するような作品も少なくないようだ。だからか、手紙とはいえ作品と言って過言ではないように感じられる。個人的な手紙でありながら日韓の読者にたいする手紙(文学作品)でもあるわけだ。津島の〈私たちは「希望」を奪われないための「武器」を必要としている〉という言葉は深い。
津島佑子はアイヌ文化などマイノリティー文化に造詣が深く、かつて日本の植民他だった朝鮮の文化にも強い関心を持っていて、そういった素地が申京淑との往復書簡の形をかりた誌上対談を興味深いものにしている。
申京淑はもともと私小説的傾向の強い作家で、作家としての自己が登場し、その生き方自体を問う、というか煩悶するような作品も少なくないようだ。だからか、手紙とはいえ作品と言って過言ではないように感じられる。個人的な手紙でありながら日韓の読者にたいする手紙(文学作品)でもあるわけだ。津島の〈私たちは「希望」を奪われないための「武器」を必要としている〉という言葉は深い。