性犯罪被害にあうということ (朝日文庫) の感想

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タイトル性犯罪被害にあうということ (朝日文庫)
発売日販売日未定
製作者小林 美佳
販売元朝日新聞出版
JANコード9784022616999
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

私自身もこらえられないようなセクハラを受け、電車で痴漢にあったり数々嫌な思いをしてきた。友人にも同じような経験をした人が多い。
今だったら軽く乗り越えられるようなことでも、思春期の頃は汚らわしく、家に帰って泣いた。何よりつらいのは、痴漢もセクハラもやられた本人が悪い、そしてそれを恥としなくてはならない、という周りの人々の認識である。
私も痴漢にあったとき、「その位いいじゃない」「あなたにすきがあったんじゃない」という家族そして周りの人の声にさらに打ちのめされた。そして悔しかった。
私の友人で性的暴行にあった子に対しても、知らないふりをする事が一番思いやりのある行動だと思い、そのことには触れないようにしていた。
この本の作者の思いを感じるとこちらも身が切られる思いだ。
被害者であるのに、それを言うことに対する周りの反応。人への不信感、行き場のない怒りと羞恥心、人間不信、それらによって壊されていく生活や今まで築き上げた人間関係。
作者が自分の顔を出し、自分の過去と向き合う勇気をもったという事はいずれ「恥ずべきは被害者ではなく加害者」という当たり前のことを世間に認識させてくれるに違いない。
そして多くのこのような過去と向き合いながら生きている女性にとって過去の痛みをすこしても癒すすべとなる、そう願ってやまない。
作者もこれから乗り切らなくてはならない事が山積しているだろう、そして心無い人の言葉や行動に傷つくかもしれない。
しかし、過去と向き合う勇気をもった彼女に女性として心からエールを送る。

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