アメリカが中国を選ぶ日: 覇権国なきアジアの命運 の感想
参照データ
タイトル | アメリカが中国を選ぶ日: 覇権国なきアジアの命運 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ヒュー ホワイト |
販売元 | 勁草書房 |
JANコード | 9784326351664 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門 |
購入者の感想
この著書では「コンサート・オブ・アジア」という何やら新しい概念が示されたように見えるが、よくよく読むと、習近平が主張する「新型の大国関係」とほぼ同じであることがよく分かる。「日本は米国の属国をやめて、地域の大国として独自の外交を」などど述べており、いかにも日本が強くなることを望んでいるかのようだが、要するに日米同盟を解消しろ、と言っているのである。
そうなれば、東アジアの情勢はより不安定かつ不穏になるか、日本が中国に屈する未来しかないのは、自明である。こんなことは学生でも分かりそうなことだ。
それに、この「コンサート・オブ・アジア」という枠組みにおいては、ロシアなど「中級国家」に過ぎず、地域における大国として考慮する必要もないのだそうだ。この点だけで、著者の思考の底が知れるというものだ。
おそらく著者は、中国がオーストラリアにおいて育成することに成功した御用学者の一人、というところであろう。
そうなれば、東アジアの情勢はより不安定かつ不穏になるか、日本が中国に屈する未来しかないのは、自明である。こんなことは学生でも分かりそうなことだ。
それに、この「コンサート・オブ・アジア」という枠組みにおいては、ロシアなど「中級国家」に過ぎず、地域における大国として考慮する必要もないのだそうだ。この点だけで、著者の思考の底が知れるというものだ。
おそらく著者は、中国がオーストラリアにおいて育成することに成功した御用学者の一人、というところであろう。
ここ数年の間に読んだ本のうちで、最もインパクトのある本だった。
図書館で借りてきて読んだが、その後で自分で買って、毎日20ページずつくらい傍線を引きながら読んでいる。
ただ、この本の日本語訳のタイトルはやや誤解を与えかねないように思える。
「アメリカが中国を選ぶ日」というのは、「アメリカが(日本を捨てて)中国を選ぶ」という印象を与える。そういう意味で、本の内容と違和感がある。
原題は”The China Choice Why America Should Share Power"である。
私流に訳せば、「何故アメリカは(他国と)力を共有しなければならないのか。その解答としての「中国」という選択肢」というような意味か。
特に日本語訳のサブタイトルの「覇権国なきアジアの命運」というのは、どうもいただけない感じがする。著者のいうのは、むしろ「覇権のぶつかり合うアジア」ではないのか。
著者の提言する「アジア大国協調体制」には、異論続出かもしれないが、それを無視してもこの本は知見に満ちていると思われる。
この本の出版社のホームページによれば、「日経」「毎日」「エコノミスト」紙面で簡単に紹介されたそうであるが、どうして日本のメディアで、この本がもっと注目されないのか、不思議である。出版社が、法律、経済学など専門書をメインとする出版社のせいなのか。
たくさんの日本人に読んでもらいたい本である。アジアとの関係における日本の現状認識、将来への展望において、極めて有意義な本だと信じる。
図書館で借りてきて読んだが、その後で自分で買って、毎日20ページずつくらい傍線を引きながら読んでいる。
ただ、この本の日本語訳のタイトルはやや誤解を与えかねないように思える。
「アメリカが中国を選ぶ日」というのは、「アメリカが(日本を捨てて)中国を選ぶ」という印象を与える。そういう意味で、本の内容と違和感がある。
原題は”The China Choice Why America Should Share Power"である。
私流に訳せば、「何故アメリカは(他国と)力を共有しなければならないのか。その解答としての「中国」という選択肢」というような意味か。
特に日本語訳のサブタイトルの「覇権国なきアジアの命運」というのは、どうもいただけない感じがする。著者のいうのは、むしろ「覇権のぶつかり合うアジア」ではないのか。
著者の提言する「アジア大国協調体制」には、異論続出かもしれないが、それを無視してもこの本は知見に満ちていると思われる。
この本の出版社のホームページによれば、「日経」「毎日」「エコノミスト」紙面で簡単に紹介されたそうであるが、どうして日本のメディアで、この本がもっと注目されないのか、不思議である。出版社が、法律、経済学など専門書をメインとする出版社のせいなのか。
たくさんの日本人に読んでもらいたい本である。アジアとの関係における日本の現状認識、将来への展望において、極めて有意義な本だと信じる。
わかりにくい本だ。だがポイントは極めて明確だ。中国をどうみるか、米中関係を踏まえて日本にとって喫緊の課題だ。著者はいう。「現在の中国で進行中の空前の規模の社会的、経済的変容を管理しなくてはならなかった人間は、西側に存在したことはない」オバマ大統領は、かって「自由なき繁栄は形を変えた貧困でしかない」と言ったそうだが、これは中国政府が実現した驚くべき偉業に道徳的な価値がないと主張していることと同じであると。これからも分かるとおり、本書を読むと、価値観外交とかにしがみつく安倍外交はいかに分かっていないか、その世界認識の甘さがよく分かるのである。