アンテナ の感想
参照データ
タイトル | アンテナ |
発売日 | 2004-03-10 |
アーティスト | くるり |
販売元 | ビクターエンタテインメント |
JANコード | 4988002456956 |
Disc 1 : | グッドモーニング MORNIG PAPER RACE ロックンロール HOME TOWN 花火 黒い扉 花の水鉄砲 バンドワゴン HOW TO GO (Timeless) |
カテゴリ | » ミュージック » ジャンル別 » J-POP |
アンテナ とは
岸田繁が演奏の上手い下手にリアリティを求めるタイプのアーティストではないのは確かだが、必然のない「何でもアリ」を誰より嫌うのもまた確かだ。前作の直後から構想されていたこの5作目は、バンドがロックンロールし続けるための肝をつかんだ、確かな芯のある作品になった。要は、岸田の音楽への潔癖なまでの姿勢が、ようやく彼の思うレヴェルに到達したということなのだろう。 新ドラマー、クリストファーのくるりに対する理解と努力が果たした功績も大きい。聴き込むほど増してくる「ロックンロール」の曲・音・発語の絶妙なグルーヴが喚起する前向きな感覚。また、日本民謡的なコード感のある曲での独自の消化力などは目を見張る進化と言えるだろう。早くも2004年最重要作の登場だ。(石角友香)
購入者の感想
くるりのロックバンドとしての絶頂期の奇跡的なグルーヴを記録した一枚。
この時期のくるりよりもロックしていたバンドを僕は知らない。
そして絶頂期であり最盛期に岸田は「燃え尽きる」ことよりも「回り続けること」を選んだのでしょう。それが今のくるりか。
音は余りにも鋭く、詞は今にも飛び出してきそう。演奏の息づかいを感じながら至福の音楽体験をして下さい。
お前のアンテナにこれは届くのか、と岸田の不敵な笑い。
この時期のくるりよりもロックしていたバンドを僕は知らない。
そして絶頂期であり最盛期に岸田は「燃え尽きる」ことよりも「回り続けること」を選んだのでしょう。それが今のくるりか。
音は余りにも鋭く、詞は今にも飛び出してきそう。演奏の息づかいを感じながら至福の音楽体験をして下さい。
お前のアンテナにこれは届くのか、と岸田の不敵な笑い。
もちろん、ロックンロールは素晴らしいし、HOW TO GOもカッコよすぎる。
でも、グッドモーニングを私は特筆せずにはいられない。
歌詞も、メロディーも、もう、心にぐぅっと染み込んでくる。景色が浮かんでくる。涙出てくる。
「夜行バスで新宿に行く、朝に近い真夜中につく」という
ほとんど情景描写の歌詞なのに、この深みは一体何なのだろう。
すごく好きだなぁ、この曲、そしてこのアルバム。
でも、グッドモーニングを私は特筆せずにはいられない。
歌詞も、メロディーも、もう、心にぐぅっと染み込んでくる。景色が浮かんでくる。涙出てくる。
「夜行バスで新宿に行く、朝に近い真夜中につく」という
ほとんど情景描写の歌詞なのに、この深みは一体何なのだろう。
すごく好きだなぁ、この曲、そしてこのアルバム。
なぜか唐突に、このアルバムについて触れてみたくなった。
そういえば『アンテナ』発売から、もうすぐ5年。いつの間にかくるりは、4人から2人になった。
まるでカメレオンの如く、アルバムごとにサウンドアプローチを変えていくくるりは、決して器用なバンドではない。器用じゃないから、ときおり同一のメロディーが複数の曲で流れたり、メンバーが目まぐるしく替わっていく。大学生のアマチュアバンドに見られる光景を、デビュー10周年を超えたバンドが体現している、きわめて稀な例だ。
そんな中、くるりはこのアルバムで取り憑かれたようにアナログにこだわった。そのできばえは、発表から5年経った現在を迎えてなお、くるり史上最も「不器用な」アルバムである。
「クリストファーのアルバム」なんてよく言われてるし、岸田繁本人も言っているみたいだが、僕にはそうは聴こえない。あれは明らかにくるりの本質そのまんまだ。確かに「ギターロックにクリストファーのフリースタイルなドラム」という構図は間違っちゃいないけど、そんな高尚な融合ができるほど、くるりは大人じゃない。オーケストラを従えようが、UKの仮面をかぶろうが、くるりが抱きしめ続けている不器用なポリシーは、「花火」のベースラインにも、「花の水鉄砲」の不可解なギターにも十二分に発揮されている。
そして「HOW TO GO」。オリジナルからさらに削ぎ落とされたアレンジ、ほとんどコードの骨組みをリズムに刻み込むのみで演奏されたギターロックは、「守れない約束ばかりして朝になる」未来、「いつかは想像を超える日がやってくるだろう」となんとなく切望する未来が赤裸々すぎるディテールで歌われる。
そんな不器用で乱暴で切実なくるりの姿が美しすぎて、そして5年。
想像を超える日はやって来ずとも、今でも美しいよ、岸田さん。
そういえば『アンテナ』発売から、もうすぐ5年。いつの間にかくるりは、4人から2人になった。
まるでカメレオンの如く、アルバムごとにサウンドアプローチを変えていくくるりは、決して器用なバンドではない。器用じゃないから、ときおり同一のメロディーが複数の曲で流れたり、メンバーが目まぐるしく替わっていく。大学生のアマチュアバンドに見られる光景を、デビュー10周年を超えたバンドが体現している、きわめて稀な例だ。
そんな中、くるりはこのアルバムで取り憑かれたようにアナログにこだわった。そのできばえは、発表から5年経った現在を迎えてなお、くるり史上最も「不器用な」アルバムである。
「クリストファーのアルバム」なんてよく言われてるし、岸田繁本人も言っているみたいだが、僕にはそうは聴こえない。あれは明らかにくるりの本質そのまんまだ。確かに「ギターロックにクリストファーのフリースタイルなドラム」という構図は間違っちゃいないけど、そんな高尚な融合ができるほど、くるりは大人じゃない。オーケストラを従えようが、UKの仮面をかぶろうが、くるりが抱きしめ続けている不器用なポリシーは、「花火」のベースラインにも、「花の水鉄砲」の不可解なギターにも十二分に発揮されている。
そして「HOW TO GO」。オリジナルからさらに削ぎ落とされたアレンジ、ほとんどコードの骨組みをリズムに刻み込むのみで演奏されたギターロックは、「守れない約束ばかりして朝になる」未来、「いつかは想像を超える日がやってくるだろう」となんとなく切望する未来が赤裸々すぎるディテールで歌われる。
そんな不器用で乱暴で切実なくるりの姿が美しすぎて、そして5年。
想像を超える日はやって来ずとも、今でも美しいよ、岸田さん。