手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書) の感想
参照データ
タイトル | 手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | コリン・P.A. ジョーンズ |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784106102868 |
カテゴリ | 社会・政治 » 法律 » 暮らしの法律 » 法律入門 |
購入者の感想
筆者は18歳で日本に留学、NY州の弁護士として10年以上の経験をつんで、2005年から日本で教鞭を取っています。日本人が書いたかのような本書の文体や思考の流れには、日本人の奥様の手助けは当然あったでしょうが、法律・法学の門外漢の自分でも理解できる読みやすさがあります。
陪審員制度の章では、アメリカの法律制度が“政府に対する深い不信を大前提にしている”ことが背景にある、地方(一審)裁判所でしか陪審員制度がない、陪審員が「not guilty」と決めたら、絶対控訴できないなどを知り、いろいろなハリウッド映画を観て感じていた疑問が解けました。そして、一般市民が重要なことを決める、という理念がなぜ継承されているかに共感を覚えました。
裁判での勝敗に“本当か嘘かは重要ではあるが、決定的な要因ではない”というアメリカン弁護士の考えは、感情論では抵抗がありますが、言葉の定義、解釈や拡大解釈などでは、自分が過去に痛い目にあったような仕事を思い出し、思わずうなずいてしまいました。
筆者はさらに、有意義な主張のための重要な2点を挙げます。(その1)今ある法律は何のためにあり、何が目的なのか、(その2)法律はその目的をどのように果たそうとしているのか。それに対して自分がどう取り組むかは、“弁護士にとって、法律は森のようなものだ”という筆者の巧みな比喩が参考になることでしょう。そして、本書の核心部分もここにあるように感じます。
法律の本は難しいとこれまで敬遠していた自分ですが、その”玄関先”を垣間見れたようで面白かったです。
陪審員制度の章では、アメリカの法律制度が“政府に対する深い不信を大前提にしている”ことが背景にある、地方(一審)裁判所でしか陪審員制度がない、陪審員が「not guilty」と決めたら、絶対控訴できないなどを知り、いろいろなハリウッド映画を観て感じていた疑問が解けました。そして、一般市民が重要なことを決める、という理念がなぜ継承されているかに共感を覚えました。
裁判での勝敗に“本当か嘘かは重要ではあるが、決定的な要因ではない”というアメリカン弁護士の考えは、感情論では抵抗がありますが、言葉の定義、解釈や拡大解釈などでは、自分が過去に痛い目にあったような仕事を思い出し、思わずうなずいてしまいました。
筆者はさらに、有意義な主張のための重要な2点を挙げます。(その1)今ある法律は何のためにあり、何が目的なのか、(その2)法律はその目的をどのように果たそうとしているのか。それに対して自分がどう取り組むかは、“弁護士にとって、法律は森のようなものだ”という筆者の巧みな比喩が参考になることでしょう。そして、本書の核心部分もここにあるように感じます。
法律の本は難しいとこれまで敬遠していた自分ですが、その”玄関先”を垣間見れたようで面白かったです。