抵抗の拠点から 朝日新聞「慰安婦報道」の核心 の感想

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参照データ

タイトル抵抗の拠点から 朝日新聞「慰安婦報道」の核心
発売日販売日未定
製作者青木 理
販売元講談社
JANコード9784062193436
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

批判のために読むのはよくないと思ったのですが
朝日の誤報問題から一年近く経ち、この本の出版から時間もたっていますので読んでみました。
まあ、図書館で借りたんですけど。

一言で言えば朝日も青木さんも、事実報道と自己の思想信条を世間に流布させることの区別がついてません。
ですから自己の思想信条と食い違う事実があると、事実のほうが間違っているという思考パターンになるようです。
こういう発想をする方がマスコミとして影響力を持つのは怖いことです。

ものすごい朝日バッシングに違和感を抱いていた。
もやもやしていたことを、青木氏がうまく言葉にしてくれている。
簡単に言うと、ナショナリズムとジャーナリズムを一緒にするな、ということなんだ。
読んで目の前が明るくなった。

インタビューがよく本音を引き出している。
朝日嫌いの人は、なんだこれ、って感じでしょうが、私は実に生産的なインタビューと思った。
だって、これ朝日新聞にも文春にも載らないでしょう。
ジャーナリズムでいちばん大切なのは多様性への敬意だと心底思っています。

出版した講談社には、敬意を払うべきだ。さすがである。男だね。
本田靖春著作集を買って読んだが、あれも講談社であったか。
一方的な世論の攻撃があれば、それに「逆ばり」する姿勢というのは言論の鏡です。

ただしこの本、わたしのように50歳を超え、
それなりに政治家や警察や経済人を見てきた人間にならそれなりに理解できるが、
若い人にはなかなか得心できないかもしれませんね。

若いジャーナリストや学生さんたちにはどうだかなあとちょっと心配。
青木さんは原稿の端々に若者や一般読者に歩み寄る、
リップサービスチックな言辞をいれているがこれが功を奏すことを期待しています。

朝日問題と簡単に言うが、その真相は深いです。
実は新聞全体の問題であり、一番の真実は「経営問題」だと思っています。
どの新聞社も売れないから、この機に乗じて朝日を潰そうとしているんですね。
少ないパイをちょっとでも奪おうとしているのです。

朝日を弁護するつもりはさらさらないのですが、
ほんとうに読売新聞の拡販攻勢にはうんざりしていたばかり。
私は職業柄新聞はたくさん読みますが、読売の誤報と、誤報の放置がひどいものです。
ほっかむりがしょっちゅうですから。
(信じられないなら、読売をとって読んでください。
 政局ネタの予想なんかあまりあたらないし、
 事件報道の逮捕前の見立てなんて「書き得」そのものです。

 読み応えのあるメディア論だった。個人的に今いちばん注目しているジャーナリストである青木理氏が朝日新聞問題について論じた本である。

 メディア論と書いたが、青木氏は朝日問題をメディア内部の一不祥事とは見なさず、戦後史の転換点で起こった「歴史的事件」だと言う。どういうことだろうか。

 青木氏は、誤報を正すのはメディアの責務としながらも、先に朝日が慰安婦報道の一部を取り下げて謝罪したのは、日本社会に広がる歴史修正主義に膝を屈したということでもあると分析する。また、朝日は誤報の訂正と同時に、慰安婦問題の変わらぬ本質を新たな事実を掘り起こすスクープによって報じ続けなければならなかったと主張している。これらは朝日にとっては本当の意味で厳しい意見と言えるだろう。権力による歴史の書き換えが社会全体に波及してナショナリズムと拝外主義の嵐となり、メディアが総崩れになってしまうことへの切迫した危機感が青木氏にこの本を書かせたのだと思う。

 本書後半の朝日関係者への取材は、ノンフィクション作家としての青木氏の力量が発揮されていて、人間ドキュメントとしても面白い。青木氏は単にバッシングされた朝日側の言い分を聞くのではなく、朝日の組織的な機能不全やメディアの権力としての堕落にも容赦なく斬り込み、朝日関係者もそれに応え、対話は豊かなものとなっている。

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