ヒトラーとナチス第三帝国 (洋泉社MOOK) の感想

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タイトルヒトラーとナチス第三帝国 (洋泉社MOOK)
発売日2014-09-26
製作者大木毅
販売元洋泉社
JANコード9784800304872
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購入者の感想

 ありきたりの名前で、装幀もありきたりのものだが、執筆者が硬派(左翼)な顔ぶれなのは「変わっている」。だから、内容も、それなりに学問的なものだ。ただし、パウル・カレルことパウル・カール・シュミット博士批判の一文があるのに、ドイツ軍の戦記の項目が、ありきたりで面白くない。パウル・ハウサーは陸軍の将軍だったが、第三帝国時代は武装SSの将軍だから、除外した方がいい。
 パウル・カレル批判について、1965年に彼がハンガリーのユダヤ人を「追放」する為に書いた覚書が発見されて訴追されそうになった事が書かれているが、その後で「砂漠のキツネ」や「バルバロッサ作戦」を執筆したかのようになっているのは、順序が逆だ。昔は彼の戦記を読んでいた事があるが、シュタールベルクの回想録でハインツ・グデーリアンが他人の荘園を奪って恥じない男だと知って考えが変わった。今でもドイツ軍や武装SSマニアでは「国防軍神話」+「武装SSは例外を除いて『ユダヤ人問題の最終的解決』などには関係がない」という人達がいて、その人達を対象にした本を書く人達もいるが、ヒルバーグの「ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅」を読んでいれば「苦労人」ウルリヒ・クレーマンと彼が率いる部隊がロードス島のユダヤ人を「追放」した事が書かれているのに、知らないからか、一言も触れない本がある。勿論、シュミット博士の戦記はソ連側の史料が公認のものしか公開されていない時代に書かれたものなので、それは触れるべきだ。しかし、そのシュミット博士批判を読んでみたい。

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