孤児たちの軍隊2 月軌道上の決戦 の感想

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参照データ

タイトル孤児たちの軍隊2 月軌道上の決戦
発売日2014-07-28
製作者ロバート ブートナー
販売元早川書房
JANコード登録されていません
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

広告塔将軍による人間関係とやはり歩兵であるジェイソンの現場主義の対比の描写が良かった
サクサク読めるのも良い点
宇宙戦艦ヤマトに近いか?

ガニメデに駐留し、地球に攻撃を仕掛けてくるナメクジ型宇宙人の掃討の任に当たったのが、親類縁者のない者達の集まり、孤児達の軍隊。壊滅状態ながらもナメクジ討伐に成功し、指揮体系の関係(上官死亡)により少将代行となった主人公が、仲間と共に地球へ帰還、凱旋する。ここまでがほぼ前作。
本作は地球からの救出を待って、これから帰還する、という辺りから始まり、ナメクジ宇宙人の遺物を持って帰る。孤児達の軍隊の生き残りは地球(というかアメリカ軍)では英雄、政治的な思惑に振り回される。ナメクジ討伐にものすごい国家予算をつぎ込んだ政府としては、もう戦争は過去の事件(なんていうか「さらば宇宙戦艦ヤマト」の冒頭のノリ)。そんな中、いろいろあって、地球は突如攻撃を受ける。調査により、ナメクジ戦艦群が地球に向かっており、地球全滅まであと数日。地球にはろくな戦力は残ってないぞ。どうする主人公。

こんな話です。前振り部分が大変長く、ちとネタバレ気味なのは申し訳ありません。
ミリタリものとしては王道。ただ、第1作と同様、クライマックスを導入部分(プロローグでなく、第1章)として始まり、過去回想をするという構成はいまいち馴染めない。一人称小説なので、プロローグにはできないのは分かるけど、第1章に追いつくまで小説の大半を読まなければいけないので、少しイライラする。でも、十分に面白い小説です。主人公、全く熱血漢ではないのに、かなりダイハードです。

あとがきはSFファンにとっては分かりやすい分析ですが、SF慣れしてない人にはピンとこないかも。
要は、SFというのは風刺小説としては時代の合わせ鏡で、ハインライン「宇宙の戦士」は第2次大戦を、ホールドマン「終わりなき戦い」はベトナム戦争を、本作は9.11対テロ戦争を、背景にしている、ということです。これ自体は正しい分析だと思います。
ただ、ここはいくら議論してもキリがないかも。9.11以降が「テロ事件」なのか「戦争」なのかで捉え方の違いは出てくるし。
また、「宇宙の戦士」は「正義は我にあり!」って感じ、「終わりなき戦い」は「正義って何だろ?」で、本作は正義云々はテーマではないように思われます(作者自身も、戦場における軍隊、兵士を描きたかったようだし)。

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