日米開戦の真実 (小学館文庫) の感想

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参照データ

タイトル日米開戦の真実 (小学館文庫)
発売日2011-02-04
製作者佐藤 優
販売元小学館
JANコード9784094085860
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

購入者の感想

1941年12月の開戦直後、当時の政府は戦争の目的とそこに至った経緯を国民に対して論理的かつ実証的に説明することを試みた。その一つが「大川周明」によるNHKラジオの連続講演であり、この速記録は公演が終わった翌月1942年1月に『米英東亜侵略史』として発行されベストセラーとなった。

この著はその『米英東亜侵略史』を全文引用し、前後して「佐藤優」氏が解説を加えたものである。

戦後教育を受けた我々の意識下には、戦時中、軍及び政府は国民にヒステリックなプロパガンダを行い、無謀な、戦争に引きずり込み、その当時の正確な国際状況は国民には知らされていなかったのだろう、という思い込み(アメリカによる摺りこみ)がある。

『米英東亜侵略史』を読むと驚かされるのは、それらの認識は全くの誤りであり、むしろ今の我々より正確に国際状況を認識し、論理的、かつ、実証的に背景を説明していることである。この文章に関しては佐藤氏の説明なしでもすとんと腹に落ちる内容である。

佐藤氏は、その当時の戦争は帝国主義及び地政学的見地からも不可避であったと見ている。だが、その不可避であった理由を軍の暴挙とかで片付けず、冷静に分析することが必要であると説く。それはなぜなら、『今』我々がどう処するかの参考になるからだと。
これ以上は著書に任せたい。まとめることでの誤解の誘発を恐れる。

私が著者の本を読むのはこれで4冊目だが、この本は著者がそれまで前面的に押し出していた国策捜査、外務省、宗教の記述がなく、純粋にその当時の背景及び今を分析している。その分析の際に宗教に話しが及ぶこともあるがそれまでの著書とは明らかに性格は違う。だがやはり著者の本には一本芯が通っているのである。それはやはり愛国心ではあるまいか。自分の国を大事にしない人間が他の国を大事に出来るわけがない、自分の命を大切に出来ない人間が他人の命を大切にできるわけがない、と著者は言う。
それだからこそ著者の本に一本芯が通っていると感じるのであろう。

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