FLOWERS 初回限定版 の感想

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参照データ

タイトルFLOWERS 初回限定版
発売日2014-04-18
販売元Innocent Grey
機種Windows
JANコード4560215590292
カテゴリPCソフト » ジャンル別 » PCゲーム » アドベンチャー

購入者の感想

絵・BGM・雰囲気は一級品。
まさかスギナミキさんの美麗な絵で百合を見られるとは数年前には夢にも思っていなかった。この繊細なタッチで描かれた素晴らしい百合絵を見るためだけでも百合好きは買って損はない。

だが、シナリオはまずまずといったところ。日常パートにはところどころ百合要素もあり、伏線のはり方も上手だった。しかし、推理部分、及び、立花ルートについては苦言を呈したい。

まず、肝心の推理部分であるが、プレイヤーに単に高度な知識を要求するものばかりであり、普通の推理小説のようにそれまでの伏線等のヒントから推理していくものではない。そのため、プレイヤーが謎を解くというのではなく、インターネット等で調べ出した正解の選択肢を選んだあとに、蘇芳(主人公)の謎解きを他のキャラと聞かされてプレイヤーも一緒に納得させられるというものになってしまっている。主人公と一緒に謎を解いていくワクワク感を求めているのであれば、肩透かしをくらうのは間違いなく、主人公の謎解きを聞かされてもプレイヤーが到底推理できない話ばかりなので解決してもあまりスッキリはしない。このような出来であるのならば、推理部分に選択肢を設けないで欲しい。

次に立花ルートについて述べる。
マユリルートクリア後でなければ、立花ルートに進めないので、正ヒロインの位置付けかと思いきや、ただのおまけ程度でマユリルートでの既読文章を飛ばせば数分で終わる短さ。しかも、立花とはキスすらしていない。(キス寸前CGのみ)
共通ルートで主人公に1番ベタベタ接してきたのにも関わらず、恋人としてのいちゃいちゃはほぼない。
おそらく、春夏秋冬の四部作であるため、マユリルートを正史ルートとして今後の作品を進めるために立花は友だちエンドになってしまったのだとおもわれる。(立花エンドでは『Thank you for accepting as a friend』とあることからの推測)
よって、友情でない百合ルートはマユリルートのみであるため、百合分に物足りなさがあった。次回作ではもっと百合百合してくれると非常に嬉しい。

【総評】

「マリア様がみてる」などに代表される、ミッション系女学院を舞台とした全年齢王道系百合ゲー
自分が百合作品を購入したのは、PSPの「ソルフェージュ / 工画堂スタジオ」以来である
男性向けの「萌え」を重視したような作品とは一線を画する、こういう作品を自分は求めていた

タイトルでも分かる通り、本作は最初から4部作であることが明記されている

主人公である白羽蘇芳(以下「蘇芳」という)は過去の心的外傷により内向的かつ自虐的なキャラ付けとなっているが
本作は物語を展開させるにつれ、それを蘇芳なりに克服し他の登場人物との絆を深める成長譚でもある
攻略対象キャラは2人と少ないが、リーズナブルな値段や本作が4部作であることを鑑みるに妥当なところだろう
その内の1人である、気さくで男性的な趣がある勾坂マユリ(以下「マユリ」という)が実質上のメインヒロインであり
基本的にはマユリ×蘇芳でストーリは進むことになる
もう1人の典型的な委員長タイプの花菱立花(以下「立花」という)は、他者のレビューにもある通りサブヒロイン扱いである

本作は幾らか課題が残る点があり、自分が本作の評価に★5を付けなかった理由は下記のとおりである

 1.ルートによってはかなり唐突な展開になるのだが、本作にはそれが結構見受けられる(最初にそれを感じたのはChapter2)
 2.推理パートではプレイヤーに状況確認の猶予を与えず、蘇芳が「実は◯◯は××で…」と唐突に状況を追加していくため、自力で推理している気がしない
 3.選択肢は1つでも間違えるとトゥルーEDに行けないばかりか、推理パートでは即バッドED直行となるシビアなバランス
 4.上記の通りマユリルートがメインである反面、立花ルートは余りストーリーが練られておらず、打ち切り的で取って付けたような印象を受ける

しかし、本作にはそれを持って余りある魅力があった
スギナミキ氏による水彩系で淡く美麗なイラストは、コバルト文庫系の挿絵を思わせ、作品に非常にマッチしており非の打ち所が見付からない

Innocent Grey からの非18禁百合ゲーとして注目度が高かった本作品。全√クリアしてCGもすべて埋めました。
まず内容ですが主人公はパッケージ中央にいる黒髪ロングの白羽蘇芳。攻略キャラはパッケージ右の勾坂マユリと左の眼鏡おさげの花菱立花の2名です
主人公白羽蘇芳は友達が欲しいということで仮初めの友-アミティエ制度がある聖アングレカム学院に通うところから物語は始まります
そして人付き合いが苦手な白羽蘇芳が日常生活やイベント、事件を通してアミティエ、クラスメート、先輩、教諭と打ち解け仲を深めていくというのが大まかな流れです
本編はボリュームがありとても丁寧に作られています。花言葉や小説、映画作品などがたびたび挙げられるのが特徴的でためになる雑学が多く散りばめられています
そして注目すべきは推理パート。本作のジャンルにもあたるミステリィ要素ですが物語の内容にも深くかかわってきます
推理パートは複数の選択肢から答えを選んでいくというものでこれがかなり面白いです
ゲーム内にヒントが隠されてるのもあればGoogl○やY○hooに頼らないと分からないようなものもあり中々手強いものとなっています
キャラクター面では白羽さんが心の内でがっかりしたり喜んだり調子にのったりするのが見ていて面白いです。人付き合いが少なかったからか・・・とは関係なしにウブな思考がかなり多くて微笑ましいです
登場キャラクターはみんな個性的で2人しか攻略できないのが残念なくらいです。個人的には八代先輩も攻略対象に入っていてほしかった・・・
次にシステム面ですがクイックセーブやSKIPや一度読んだところを飛ばして次の選択肢に入るNEXTなど一般的にあるものは備わっています
キャラクター別音声設定も搭載してますがここでのサンプルボイスにも小ネタが仕込まれており、ある人物については意味深な発言も・・・?
あと不満点になりますが・・・少しネタバレが入ります。おそらくTrue√がマユリENDだと思うのですがその終わり方がモヤモヤする終わり方になっています。伏線もあって予想できないこともないですが呆気にとられて物語は終わりました

グラフィック
一目惚れして購入を決定しましたが、期待に外れずとても佳いものを見せていただきました。一枚絵の数も充実しており、使い回しは人物画で一組あったくらいです。
ゲーム性
売り文句になっているミステリーについては、結構な手応えを感じるものばかりです。特に、花に関する知識と教養を求められる問題が印象的でした。ただ、一つの選択肢のミスが即ゲームオーバーにつながるシビアな設定であるのに対し、ヒントが不十分だったように感じました。
キャラクター攻略については、際立ったルート分岐はなく、複雑さはないです。肢の選択によって発光する百合ゲージに注意して、発光色の種類とユリの形態変化の法則に気がつけば全てのエンディングとイラストを集めるのはすぐでした。
システム
この手の小説ゲームに慣れていれば、操作が難解であったり、不便を感じる部分はないかと思います。
音楽
Flowersの世界観を余すことなく表現した楽曲は、百合の甘美で繊細なイメージにぴったりだと思います。
キャスト
皆さんの演技が大変素晴らしかったです。立花役の明島さんの泣き演技は最高でした。
クリア後の特典
イラストギャラリーやキャスト声優さんのボイスコメント、四コマ漫画、ミュージックギャラリーを観賞できます。エンディングリストがあまりに簡素だったのは残念です。
シナリオ
文章は雰囲気を出すためか、癖を多少感じるものの、慣れてしまえば特に問題はありませんでした。
さて、多少ネタバレになりますが、最も重要な物語について述べます。まず、主要登場人物は全部で9名出てきますが、エンディングを見られるのは二人のみです。そのうち1人のものは取って付けた感が一杯で、攻略対象は実質1人と言って良いでしょう。そして、そのメインヒロインの攻略後に物語が続くのですが、その展開の残酷さにずっと胸の動悸が治まらず、涙が目に滲むほどつらかったです。まさに悪心を催しました。プレイ後にぽっかり心に穴が空いた気分になったのは久しぶりです。そう言った意味では大変よくできていたと思います。ただ、あまりに残酷なラストだったので続編は絶対に出していただき、なんらかのフォローをしてもらいたいですね。

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