生きていてよかった (角川文庫) の感想

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参照データ

タイトル生きていてよかった (角川文庫)
発売日販売日未定
製作者相田 みつを
販売元角川書店
JANコード9784043448050
カテゴリ » ジャンル別 » アート・建築・デザイン » 絵画

購入者の感想

実は、この本には、ちょっぴり苦い思い出がある。

大好きだった新聞配達のおじさんは、私が学生の頃から、うちのお店に通ってくれていた。
ずっとアパートの一人暮らしで、口は悪いけど、照れ屋でとびっきり優しいハートを持つ人で、何より、人の痛みがわかる人だった。そして、皆が嫌がるような辺鄙で時には危険を伴う場所への配達も自ら請け負ったりしていた。
そこに住んである一人暮らしのお年寄り達を気遣い、常に声をかけ、話し相手にもなっていたみたいだ。
寒い時期には彼は、ポケットマネーで、お年寄り達への手土産として、カイロをちょくちょく買っていたのを知っている。
そんな彼が、突然、亡くなってしまった。亡くなるわずか数日前に、彼は私に、まるで今生のお別れみたいな、感謝の言葉をかけてくれていた。いつもの冗談話などではなかった。きっと彼は、“別れ”を予感していたのだろう。

それにしても、彼の祥月命日が、私の誕生日と重なろうとは、これには本当に参ってしまった。
身寄りのない彼は、ひっそりと焼かれたみたいだ。そんな彼の人生を“小馬鹿”にする輩がいて、私は言葉にならない怒りに打ち震えた後に、まるで透明な湖の底に一人漂っているような気持ちに陥ってしまった。
泣くこともできずに私は、運転免許の更新の為に出掛けなければならなかった。実に重苦しい気分でいたところ、その会場となっていた商業ビルの本屋で、私はこの本を見つけたのだ。というか、引き寄せられたのだろう。

本を開いて、いきなり、私のまなこに飛び込んできた詩が、
〈うまれたときは / まるはだか / 死ぬときは / それも捨ててゆく 〉だった。
相田みつをさんを知らなかった母が、亡くなる前に言っていた言葉とまるで同じだったことに驚いてしまった。

そして、「いのち無常」という題名の短い詩、
〈 いま / ここにしかない / あなたのいのち / わたしのいのち 〉
ああ、そうだよなあ、流れゆく川のように、変わらないものなど、この世には何一つとしてない、

 待望の相田みつをの最新文庫版。疲れたときの癒しの本として最適。いままでの文庫版の中で一番読みやすい。また、この本は、真実に真っ正面からぶっかつた相田みつをの書であり、全然難しいことが 書いてなくて気楽に読め、読者に勇気と自信を与えてくれる。元気が欲しいとき、是非読みたい一冊。

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