I Am Pilgrim: A Thriller の感想

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タイトルI Am Pilgrim: A Thriller
発売日2014-05-27
製作者Terry Hayes
販売元Atria/Emily Bestler Books
JANコード登録されていません
カテゴリ洋書 » Special Features » By Authors » Literature & Fiction

購入者の感想

CIAですらその存在を知らない超機密組織で働いていた諜報員の男は、静かな生活を求めて引退する。だが、マンハッタンのホテルで匿名で書いた犯罪科学の本をヒントにした殺人が起こり、彼が真の著者だと嗅ぎ当てたNYPDの刑事に説得され、捜査に協力することになる。

だが、それとは別に、世界を揺るがすような犯罪が静かに進行していた。せっかく組織を離れたというのに、男は『Pilgrim』というコードネームで大統領直属の諜報員として、単独で動くイスラム過激派テロリストSaracenを追うことになる。

どちらも「本物の名前をもたない男」であるSaracenとPilgrimの過去は並行して進み、最後の最後まで会わない。
そのうえでの邂逅であり、互いに自分が信じる「大義」のために「小さな正義」を犠牲にし、命をかけているところが見ものである。

ネタバレになるので、これ以上筋書きは書かないが、600ページ以上の長い作品なのに、まったく飽きないほどアクションたっぷりである。そして、ヒーローは男性読者が感情移入したくなるかっこよさだ。

Pilgrimは、頭脳明晰で、正義感が強く、アスリートのように機敏で、クールで、情もある。そして、007とは異なり、仕事人間なので女になんか目を向けない。ちょっと出来すぎだが、アメリカ人の理想をぎっしり詰めたこのスーパー・スパイを、イギリス人の著者Hayesが書いたというのはなかなかおもしろい。

文章はストレートで難しくないが、なんせ長い。また、どう関係しているのかわからないニューヨークの殺人事件とトルコの殺人事件、とぎれとぎれに紹介されるSaracenの過去とPilgrimの生い立ちなどが入ってくるので、混乱するかもしれない。けれども、いったんはまりこんだら、長いことすら嬉しくなるかもしれない。

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