怪奇文学大山脈(3) (西洋近代名作選 諸雑誌氾濫篇) の感想

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タイトル怪奇文学大山脈(3) (西洋近代名作選 諸雑誌氾濫篇)
発売日販売日未定
販売元東京創元社
JANコード9784488010225
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » SF・ホラー・ファンタジー

購入者の感想

 荒俣宏編纂の怪奇幻想文学アンソロジー最終巻、『怪奇文学大山脈 西洋近代名作選<3> 諸雑誌氾濫篇』。パルプマガジンなどの雑誌に発表された怪奇小説から、大衆向け・興味本位・刺激的・煽情的な娯楽作品に光を当てて作品を選んであり、1、2巻に比べて、低俗で悪趣味な作品が多かったです。残虐な恐怖劇「グラン・ギニョル」を再評価することが編者の意図としてあったとのことで、「グラン・ギニョル」的な作品が多数収録されてるのですが、その手の話は苦手分野なので、読むのがキツかったです。
 特に強烈に印象に残ってるのは、W・C・モローの「不屈の敵」と、アンドレ・ド・ロルドの戯曲でした。
 「不屈の敵」は、復讐心の塊となった男を描いた作品。「多くの識者が『19世紀アメリカでもっともショッキングな短編小説』と折り紙をつけた傑作」と、編者まえがきで紹介されてます。
 アンドレ・ド・ロルドは、「恐怖のプリンス」と言われた劇作家。「わたしが独裁者ならば、公共の道徳のためにアンドレ・ド・ロルドをギロチンにかけてやる」と、ある批評家が言いきったと、アンドレ・ド・ロルドのエッセイ「わたしは告発……されている」に書いてあるのですが、その批評家の気持ちが理解できました。
 グスタフ・マイリンクの作品は、第2巻で読んだ「紫色の死」がすごくおもしろかったですが、第3巻収録の「蝋人形小屋」もおもしろかったです。「蝋人形小屋」の方がグロテスクでした。
 モーリス・ルヴェルの「赤い光の中で」の次に収録してある「物音・足音」は、英文学者で天文民俗学者である野尻抱影のエッセイ。モーリス・ルヴェルを日本に翻訳紹介した時のことを書いてあります。10年ほど前、モーリス・ルヴェルの『夜鳥』を読んだのですが、すごくおもしろかったので、いつか再読したいと思ってます。
 H・S・ホワイトヘッド「唇」、M・E・カウンセルマン「七子」など、古い呪術を扱った怪奇小説はわりと好みです。

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