もういちど読む数研の高校物理 第1巻 の感想

物理を独習するために購入しました。
当方、高校時代は文系クラスで、物理は一切学習していませんでした。

本書は高校の物理教科書を再構成したもの、と説明されています。同社の発行している「物理基礎」の教科書を見る機会があったのですが、本書の内容である力学・熱力学の範囲について両者をざっと比べて見たところ、ページ構成は違うものの個々の内容については解説や、使われている図が同じ様子でした。
なので、学生でない人で、物理の教科書を探している人は本書を使えば良いのではないかと思います。

読み始めたときは「教科書ってこんなに分かりやすいのか」と思いました。
というのも、物理の勉強を始めた当初は、わかりやすそうな初学者向けの参考書を数冊試してみたのですが、解説が曖昧で納得できなかったり、未習の用語がいきなり出てきて戸惑うなど、途中で挫折していたところでした。
説明に納得できないと結論を暗記するしかないですが、それでは早晩に挫折すると思います、というかしました。

本書は、ほどよく納得できて先に進められるバランスの良さがあると思いました。
もちろん全てにおいて十分に納得できる解説がなされているわけではありませんが、深みにはまることなく、とりあえず一通り終わらせるにはちょうど良いのではないのでしょうか。
手元に古本で入手した「親切な物理」というとても詳しい参考書がありますが、これを読むと「ああ、自分が納得したことなんてまだほんの一部なんだな」と思いますが、さりとて、この参考書で独習を完走する自信は今の私にはありません。

本書に掲載されている例題、類題などは全て解きました。巻末に解答が載っていますが、結論が書いてあるだけなので、過程で分からない箇所があれば他の参考書などを当たるしかありません。分からない部分が出てきたらどうしよう。。。とハラハラしながら解きましたが、自分は「直方体が転倒する・しない条件」のところ以外は自力で解くことができました。（ここは先述した「親切な物理」に頼りました。）