思考を鍛えるレポート・論文作成法(第2版) の感想

本書は、タイトルが示す通り、レポートや論文を書くための
考え方、準備の仕方、心構え、まとめ方などが丁寧にまとめ
られた本である。

本書は７章構成になっていて、第１章ではレポートや論文と
は何か、それに取り組む意義は何か、どのように段取りをとる
かといった内容がまとめられている。続く第２章では大学での
学習で大切なことについて、第３章では思考を組み立て、問い
を立て、批判的に検討することについて書かれ、ここまでが
レポート・論文を書くための前段階に当たる部分という位置づけ
になっている。

続く第４章で、レポートを書く手順について、第５章では論文
を書く手順について、第６章では題名のつけ方、用語の定義、
引用の仕方、出典の示し方、注のつけ方などの各部についての
内容となり、最後の第７章ではプレゼンをする際のポイントに
ついてまとめられている。

研究分野に偏ることなく、仮説論証型、仮説検証型それぞれの
論文形式もまとめられ、レポート・論文とは何かという定義から
始まり、どのように問題意識を持って、テーマを設定し、資料を
集め、批判的に検討し、論文として執筆していくのか、その手順
がステップごとにまとめられているため、汎用性の高い一冊である。

本書最後には論文のテンプレート（例）も付されていることで、
最終的なかたちも見て取ることができるのも有難い。
初めてレポートや論文作成に取り組む人（特に大学生）にとって
道筋を示してくれる有用な一冊となることだろう。