震える学校 不信地獄の「いじめ社会」を打ち破るために (一般書) の感想

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参照データ

タイトル震える学校 不信地獄の「いじめ社会」を打ち破るために (一般書)
発売日販売日未定
製作者山脇 由貴子
販売元ポプラ社
JANコード9784591130896
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 一般

購入者の感想

本書は、東京都児童相談センターで子どもたちの相談を引き受ける心理
司でいらっしゃる著者が、現在の子ども社会で起こっているいじめの実相
をまとめ、信頼される学校づくりについて提起した本である。

本書は3部構成になっていて、第1部では、著者がこれまで見てきた5個
の事例をケーススタディとして取り上げ、いじめ社会をめぐって子ども、
教員、保護者がどのような状況にあるのかについて実相をまとめている。
第2部では、子ども社会でどのようなことが起こっているのか、そして
それがいじめとどのようにつながっているのかについて書かれている。
最後の第3部では、信頼される学校づくりに必要なルールを全部で11個
まとめられている。

本書の第一の特長は、やはり著者ご自身が児童相談所で直に接してきた
子どもたちのリアリティーがこの本にはあることである。第1部でまと
められている実態は、実に悲惨としか言いようがない。教師にまでター
ゲットが向かう現代のいじめの実相は、前著『教室の悪魔』でえがかれ
ていた以上の印象も受ける。

深刻化するいじめ問題を考え、議論し、防ごうとする場合、まずは実態
の把握をすることから始めなければならない。学校の教師という立場と
は異なる立場にいる著者だからこそ、「いじめの実相を唯一語れる被害者」
と利害関係なく接することができ、学校で起こっているいじめの実相を
学校とは異なる立場で報告できるのであり、このことが本書の価値を保証
している。

ただ、第3部で信頼される学校づくりのための様々な提言がなされている
が、多くの学校の先生方が年々増えていく仕事に追われ、月に300時間を
超える勤務実態になっている現状を踏まえた議論になってもいい印象を
受けた。教育行政の迷走による現場教員の疲弊度は深刻であり、優秀な
人が教職を避けるようになっている現状の改善と並行しなければ実現が
難しい提言も含まれているように感じたのも事実である。

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