Tough Choices: A Memoir の感想

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参照データ

タイトルTough Choices: A Memoir
発売日販売日未定
製作者Carly Fiorina
販売元Penguin Audio
JANコード9780143059073
カテゴリ洋書 » Formats » Audio CDs » Biographies & Memoirs

購入者の感想

内容の面白さももちろんですが、英語学習のリスニング教材としても非常に有効だと思います。あまり早口でなく、ずっと聞いていたくなる魅力的な声質です(大企業のエグゼクティブとして有益な能力でしょう)。一般向けの自伝ですから過度に専門的な用語も使われていません。英語初級レベルの方ではさすがに無理かもしれませんが、TOEICなら800点以上はコンスタントに取れる、だけど実力には全然自信がない、くらいの方であれば、ちょうどいいレベルだと思います。普通の小説のリスニングだと厳しいことが多い私ですが、このオーディオブックはほぼ内容を把握できました。

日本版書籍は「私はこうして受付からCEOになった」とかいう目眩のするようなタイトルになっています。確かにそれは嘘ではないのですが、受付嬢が一念発起するシンデレラストーリーのような印象は全く的外れです。もともと彼女は才気あふれる新人だったのです。スタンフォード卒業後、親の期待に応えて入ったロースクールに興味が持てずドロップアウトして、お金もなく、取りあえずは働かなければならない。見つけたのが、受付とか派遣秘書とかそんな仕事。頭脳明晰で人の心を動かす才能にも長けている彼女は、電話応対でもタイプ入力でも、やった仕事ではすべて卓越した成果を出し、潜在力の高さを上司に見出され、どんどん引き立てられていく。そういうことです。そして彼女には、厳しい決断から逃げない勇気、恐怖を克服する勇気が備わっている。

ルーセントからHPへの転身のあたりまではずっと上昇機運の中にあるので、聞いていてもわくわくするのですが、HPのCEOになってからはドロドロしたパワーゲームが描かれ、心なしか声も重く、暗く感じます。HPが抱えていた(今も同じかもしれませんが)問題の深さも垣間見えてきます。彼女はHPを立て直すことに失敗したとする世評が、ある程度の悪意・偏見を含んでおり、またかなりの部分皮相的であることも、彼女が正直に語る内実を通して、よくわかりました。

内容的には、若い社会人にも、社会にでる前の大学生にも、大学で何を勉強しようかなと思っている高校生にも、男女問わず、有益だと思います。もちろん日本語でも。

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