Trace Disc. (Kay Scarpetta Mysteries) の感想

今までベストセラーリストの常連と言うことは知っていましたが，Patricia Cornwellの小説を読むのははこれが初めてでした。まあ、なかなか面白かった。

バラバラの事件が最後に一つになっていくのはミステリー小説の王道ですが、本当に最後のほうになるまで真相はわからないので、そこらの安っぽい探偵小説とは違うな，と思いました。犯人らしき人物はすぐに判明するのですが，全貌が判明するまでには最後まで読まないといけません。

初めて読んだので，登場人物の人間関係を把握するのにしばらくかかりました。たしかに、え？　この話はどうなったの？　というような中途半端な展開もいくつかありましたが・・。まあ、主要人物はみんな無事だったわけだし。いいんじゃないの？

私自身は初めての1冊だったので，特に気負わず楽しめたのですが、本家のAmazon.comでは、長年のCornwellファンからの、かなり辛らつなコメントが多く、今までのシリーズで最悪，との声が多かったのですが，かなり長いコメントを書くレビュアーからは逆にこの著者の本は多くの人に注目されていて、よく読まれているのだなあというのが伝わりました。

本作はシリーズ13作目で、third-person-styleで書かれていることが酷評の理由の一つですが，初めて読む人には特に気にならないと思います。Cornwellの他の作品も読んでからでないと何とも言えませんが。

英語もそれほど難しくなく，TOEIC　700以上あれば十分楽しめるレベル。翻訳版のレビューでは医療関係の単語が多いと言うコメントがありましたが，それほど難しいものは出てこなかった印象です。

CD11枚で，最後の1枚はなぜか短かった。