Apocalypse: Cambridge Lawrence Edition (Classic, 20th-Century, Penguin) の感想

私にとってのD.H. Lawrenceの原文との出会いは、学部の2年生でやって来た。教養課程で英語の教師が三人いたが、その一人がD.H. Lawrenceのエッセイ集を我々に課した。これは、無謀なことです。団塊の第一世代は英語も理系の学生が一番できた時代で、現在とは違う。しかし、スクールグラマーのみでsyntax？な我々のLawrenceの英文との挑戦が始まったが、辞書も、文法も役に立たず。Lawrenceの英文は今でも難解である、ガキの我々分かるわけがない。しかし、面白いが、風采の上がらなく見えた教授（後にD.H. Lawrenceが御専門と知った）の巧みに、とぼけたかじ取りでやがて、我々の興味はLawrenceの言わんとする事に向かっていった。彼の多分野に及ぶ素晴らしい考察、過激な評論は時代を超えて届いた。我々の普通のLawrence像は消えていた。最後の講義で誰かが教授に質問した「先生、Lawrenceが全作品で、一番言いたかったことは何なんですか？」。その答えを今でも覚えている。「男と女がきちんとしている限り、人類は大丈夫ってことだな」とおっしゃった。当時はこのように優れた教授がおられた。年を経、英文の読解力も付き、自然科学、宗教等を広く知るに至って、D.H. Lawrenceの言葉は本質的に正しいと思っています。”男と女がきちんとしている限り”・・・人類はきちんとできなくなってきた、あらゆる面（自然界も含め）において。“Nobody Loves Me”の意味が実感できる歳に至った。
この著書の”Book Description”を是非お読みください。この著書は著者と私の心の共鳴で読みましたので、解説、翻訳は不要です。これが読書でしょ！ＡＨ! Ｙe.