知性の構造 (ハルキ文庫) の感想
参照データ
タイトル | 知性の構造 (ハルキ文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 西部 邁 |
販売元 | 角川春樹事務所 |
JANコード | 9784758430142 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » 評論・文学研究 |
購入者の感想
非常に面白いけど、図形への解釈が、
かなり想像力を使わせる。
たぶん、西部氏の知性ならぬ、「知の生」
のなかで何度も推敲する中で、
反復して確認するなかで、次第に無用と思われる
説明が最小限までに切り落とされたのだろう。
要するに、この本の深くに接近するには、
他の西部氏の本にあたってみる必要があると
おもわれる。
私は何度も読み、何度も、図形を書き写しながら
考えてみたが、眉間にしわをよせて悩み
努力して解釈していくうちに、自分でも気がつかない
うちに、生の力が湧き上がってくるものを感じる。
わたしにとっては、この言語論、意味論の本書は、
(精神の)「力の構造」とでも呼びたい。
かなり想像力を使わせる。
たぶん、西部氏の知性ならぬ、「知の生」
のなかで何度も推敲する中で、
反復して確認するなかで、次第に無用と思われる
説明が最小限までに切り落とされたのだろう。
要するに、この本の深くに接近するには、
他の西部氏の本にあたってみる必要があると
おもわれる。
私は何度も読み、何度も、図形を書き写しながら
考えてみたが、眉間にしわをよせて悩み
努力して解釈していくうちに、自分でも気がつかない
うちに、生の力が湧き上がってくるものを感じる。
わたしにとっては、この言語論、意味論の本書は、
(精神の)「力の構造」とでも呼びたい。
物事の価値を判断するには、その礎となる信念や哲学が必要なのはいうまでもないが、なかでも知識人の哲学を示そうと試みたのが本書である。著者自身が「知性の骨格」と呼ぶ三十歳代から組み立ててきた図形的解説を、「羞恥を押し殺しつつ開示」したという本書だけに、その意義は大きい。なにやら著者の秘密の引き出しをのぞき見したような、少々助平な興味を満たしてくれる本である。宗教人の価値体系が信仰に依るなら、知識人のそれは何に依るのか?相対主義やイデオロギーなのだろうか?読み進めていくうちに、知識人であることは、厳しい思索を通してバランスを獲得するという極めて心もとない営為だということに気付かされる。それは宗教人の悟り至る道のりに比することができるのではないだろうか。そうすれば「知識人」が「瀕死の状態にある」のも無理からぬことなのか。著者の政治的・思想的立場に賛否はあるだろうが、本書を一読する価値は十分にある。0