Adventures of Sherlock Holmes, (BBC Audio) の感想

　収録のThe Adventure of the Speckled Bandを中心にコメントをさせていただくと、
Naxos Audio Booksのそれ（原作そのままで一人で声色を変えた素晴らしい朗読）と比較すると、
状況説明部分がない分、ご両人（Sherlock Holmes、ワトソン）のしゃべりが多い感じがします。

　音質は最高、ヘレン・ストーナーの声も（当然ですが）女性が演じておられ、Naxos版と比べて、
より自然で落ち着いた感じはします。グラナダTV版は設定が確か双子ではなかったようですが、こちらは原作通りに被害者は双子の姉妹に
なっています。姉妹の会話や、彼女の悲鳴や断末魔の言葉も生々しく入っています。
　それより、バブーンの鳴き声が聴いて怖かったです。

　どちらかというと、（特に冒頭で）効果的に脚色した部分もあり、
グラナダTV版の画面のない感じに近いかも
しれません。ただ、こちらは画面なしですので、しゃべりが途切れることはほとんどありません。
　音楽や擬音は控えめに、また効果的（ダイナミックレンジが少々大きいかも）に使われていて、
Speckled Bandのクライマックスシーンではやかんから漏れる蒸気のような音が
さかんに聴こえます。

　英語の聴き取りについては、そう心配ないと思いますが、
もし原作を英語でざっと一読されていれば、会話部分はだいたい同じですから、より
聴き取りやすくなると思います。
　台本がなく、ＣＤですので英語字幕も出ませんが、
細かい部分にこだわらない限り、英語の聴き取りや物語を、
繰り返し、十分に楽しむことができます。

　もちろん、原作通りがお好みの場合は、Naxos Audio Books
ということになりますが、原作とはどこが違うかとか考えながら聴かれると
より興味深いかもしれません。