包丁と砥石大全: 包丁と砥石の種類、研ぎの実践を網羅した決定版! の感想

※サンプル画像 クリックで拡大します

「大全」と言う名前からは「これ一冊あれば後はいらない」的な感じがすると思います。しかし、実際はこの本には肝心なことはかなりはしょられていて、これ一冊で済むような本ではありません。片刃包丁を買ったら最初にするのは「裏押し」でこれに失敗すると包丁をダメにしてしまいます。しかし、この本では柳刃の研ぎ方の所で、ほんのちょっと裏押しに触れられているだけで、素人が知りたいことは何も書いていません。例えば柴田書店の「砥石と包丁」なら、裏押しについてかなり詳しくコツを書いてあり、そちらは非常に参考になります。
また、「天然砥石」の情報を求めてこの本を買う人もいると思いますが、この本の天然砥石の情報は、同じ出版社から出ている「大工道具･砥石と研ぎの技法」の情報のダイジェスト版に過ぎません。天然砥石について知りたければ最初からそちらを買った方がいいです。

この手の本の中では写真が多く読みやすい本です。しかし基本的な砥石や砥ぎを知っている事が前提で書かれているので全くの初心者には少し難しいかもしれません。写真は綺麗ですので眺めるだけでも楽しい本ですが高価なので星４つとしました。