信念対立解明アプローチ入門―チーム医療・多職種連携の可能性をひらく の感想
参照データ
タイトル | 信念対立解明アプローチ入門―チーム医療・多職種連携の可能性をひらく |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 京極 真 |
販売元 | 中央法規出版 |
JANコード | 9784805837221 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 |
購入者の感想
もしもこの本が信念対立解明アプローチに初めて出合う本ならば、私は敢えて、第4章「事例で学ぶ信念対立解明アプローチ」から読み始めることをお奨めしたい。実にこの本は、その約半分を豊富な事例とその解説で占めている。このことから、筆者が理論だけでなく、実践応用に力点を注いでいるかが推察される。栄養サポートチーム、呼吸ケアチーム、リハビリテーションチーム、褥瘡対策チーム、感染症対策チーム、緩和ケアチームなど医療現場での様々なチームにおける信念対立を解明する道筋がとても丁寧に示されている。また、幾つかのコラム記事では、信念対立解明アプローチの限界も素直に認めている。第4章の事例を読んで、更にその理論基盤に興味を持てたならば、是非、この本の他の章、そして著者の前著「医療関係者のための信念対立解明アプローチ: コミュニケーション・スキル入門」(誠信書房、2011)と組み合わせて読むことを強く勧める。
実際、医療ではそれぞれの専門職のエゴが強く影響して、チーム医療は事実上不可能とも思える悲惨さがある。その解明には、「人間の存在」、あるいはその「人間の実践」への深い考察が必要であり、著者はこの難題に対して、理論基盤としてヘーゲル哲学や構造構成主義などから紐解き、独創的なチーム医療実践方略を示した。非常に価値のある1冊、是非多くの医療者に読んで欲しい。
実際、医療ではそれぞれの専門職のエゴが強く影響して、チーム医療は事実上不可能とも思える悲惨さがある。その解明には、「人間の存在」、あるいはその「人間の実践」への深い考察が必要であり、著者はこの難題に対して、理論基盤としてヘーゲル哲学や構造構成主義などから紐解き、独創的なチーム医療実践方略を示した。非常に価値のある1冊、是非多くの医療者に読んで欲しい。