The New Jim Crow: Mass Incarceration in the Age of Colorblindness の感想

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ジムクロウ（Jim Crow）という言葉は，日本人には馴染みが薄いかもしれないが、一昔前にトイレから学校からバスの座席まで黒人と白人が分けられていた当時の慣習のことだ。今はそのような隔離（segregation)は無くなったように見えるのだが、この本は、米国社会の本当の姿を教えてくれる。「麻薬との戦い」という名の下に、きわめて合法的に行われている差別の実態（＝信じられない数の黒人が犯罪者として刑務所に入れられ，前科者として様々な社会的恩恵を合法的に制限されている事実）には驚かされた。著者はこれを「新たなジムクロウ」と呼んでいる。差別は、形を変えて復活していたのだ。統計的にも十分な裏付けがあり、読み応えがある。