日本経済はなぜ浮上しないのか アベノミクス第2ステージへの論点 の感想
参照データ
タイトル | 日本経済はなぜ浮上しないのか アベノミクス第2ステージへの論点 |
発売日 | 2014-12-12 |
製作者 | 片岡剛士 |
販売元 | 幻冬舎 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 消費者問題 |
購入者の感想
アベノミクス開始以降の日本経済の動向を検証した本です。
ざっくり主張をまとめると「金融政策は効果を発揮したが、全体に波及する前に消費増税・緊縮により頓挫した」というところでしょうか。
主張を補強する多数のデータが要因分解して紹介されており、非常に納得度の高いものになっています。
アベノミクスを推す側からは不利であろうデータ(2013年の消費増加の多くは所得上位層によるもの)も
きちんと出しており現状分析の信頼度は高いのではないかと思います。
「貿易赤字/経常赤字だから良くない」「円安なのに輸出が増えないからダメ」と言った
アベノミクス否定論に対してもしっかり検証・反論されています。
これらの否定論は一つの問題点からアベノミクス全体を否定する人が多いですが、
この本の分析から少なくとも金融政策は一定の効果は上げたと言えるでしょう。
余談ですが付録として国際収支統計の仕組みが解説されており、こちらも非常にわかりやすかったです。
アベノミクスの検証としては非常に的確な本だと思いますが、瑣末なところで気になったこともあります。
まず今後取るべき対応として金融政策のリフレ・レジーム再強化が挙げられており、それ自体は全く異論無いのですが、
掲載されている消費者の予想インフレ率推移を見るとパッと見、消費増税が決定した時期から上昇トレンドが止まったようにも見えます。
人々のインフレ予想に働きかけるのがリフレの肝なら、財政政策も同じ方向を向かないとダメなんじゃないかという疑問が一点目。
もう一つは消費増税の悪影響について、消費税だからダメなのか、増税がダメなのかがイマイチ切り分けられていないように感じました。
導入時は物品税から減税になったものがあり、5%増税時は所得減税があったことが触れられています。
今回は純粋な増税ということになるわけで、じゃあほかで減税してればどうだったんだというのは気になるところでしょう。
アベノミクス停滞の原因としてはそこまで切り分ける必要も無いでしょうが、将来の税制を考える際には重要になってくると思います。
ざっくり主張をまとめると「金融政策は効果を発揮したが、全体に波及する前に消費増税・緊縮により頓挫した」というところでしょうか。
主張を補強する多数のデータが要因分解して紹介されており、非常に納得度の高いものになっています。
アベノミクスを推す側からは不利であろうデータ(2013年の消費増加の多くは所得上位層によるもの)も
きちんと出しており現状分析の信頼度は高いのではないかと思います。
「貿易赤字/経常赤字だから良くない」「円安なのに輸出が増えないからダメ」と言った
アベノミクス否定論に対してもしっかり検証・反論されています。
これらの否定論は一つの問題点からアベノミクス全体を否定する人が多いですが、
この本の分析から少なくとも金融政策は一定の効果は上げたと言えるでしょう。
余談ですが付録として国際収支統計の仕組みが解説されており、こちらも非常にわかりやすかったです。
アベノミクスの検証としては非常に的確な本だと思いますが、瑣末なところで気になったこともあります。
まず今後取るべき対応として金融政策のリフレ・レジーム再強化が挙げられており、それ自体は全く異論無いのですが、
掲載されている消費者の予想インフレ率推移を見るとパッと見、消費増税が決定した時期から上昇トレンドが止まったようにも見えます。
人々のインフレ予想に働きかけるのがリフレの肝なら、財政政策も同じ方向を向かないとダメなんじゃないかという疑問が一点目。
もう一つは消費増税の悪影響について、消費税だからダメなのか、増税がダメなのかがイマイチ切り分けられていないように感じました。
導入時は物品税から減税になったものがあり、5%増税時は所得減税があったことが触れられています。
今回は純粋な増税ということになるわけで、じゃあほかで減税してればどうだったんだというのは気になるところでしょう。
アベノミクス停滞の原因としてはそこまで切り分ける必要も無いでしょうが、将来の税制を考える際には重要になってくると思います。