言語変化という問題――共時態、通時態、歴史 (岩波文庫) の感想

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参照データ

タイトル言語変化という問題――共時態、通時態、歴史 (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者E.コセリウ
販売元岩波書店
JANコード9784003369616
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 言語学 » 言語学

購入者の感想

本書は難解な本である。線を引きまくって3回ほど読んだが、理解したというにはほど遠い。田中克彦氏の書かれた「ノモンハン戦争」の5倍以上は難しいだろう。
当然といえば当然で、言語学という、あまり近寄りたくない学問分野の話で、20以上の言語に精通し、超人間的な記憶力を有するというコセリウが、これまた難解なソシュール言語学とその後継者たちを徹底攻撃したような本が、凡一般人にたやすく読めるはずがない。著者はしつこいほどに、本の対象は「言語変化」(言語変化の原因、様々な言語における変化の型など)ではなく、「言語変化という問題」であると繰り返すのだが(訳題名もそうなっている)、途中で、「言語変化」の難しい話も結構出てくるように思える。
さて、おぼつかない理解だが、ちょっと書いてみる。
冒頭で、コセリウは、敵方の主張は、「言語は変化してはならない」「生成発展は言語の本質に反する」である(本当?)とぶちあげる。そして、その歴史的起源は、言語(ラング)を共時態と通時態に二分割してしまい、通時態を蔑み、共時態のみを持ちあげたソシュールにあるとし、このソシュールにおける、共時態(体系)と通時態(歴史性)の二律背反(並び立たないこと)を乗り越え克服するというのが、本書のメインテーマである。以後、派生テーマ(バリエーション、変奏曲??)が論じられ、最後に、メインテーマが、ソシュールのテキスト批判の形で論じられる。その意味では、本書の題は、学術書としては、原題の「共時態、通時態、歴史」が適切なように思う。
そして、なぜか、最後のテキスト批判では、最初のほうの厳しい論調と異なり、ソシュール様ちょっとよいしょ、の感じになってきているように思うのだが,気のせいだろうか?
内容についても書きたいが、いいかげんな理解で、地雷を踏みそうなので、止めておく。本書が、言語学を学ぶ人々に有用な書であるのは、間違いないと思う。また,本書ではソシュールの「一般言語学講義」からたくさん引用されているので、照らし合わせて読むと、ソシュールの難解な「一般言語学講義」が、(難解+難解の結果)ちょっとわかりやすくなる(?)ように思う。
最後に3点
一、

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