決定版 タオ指圧入門 (講談社+α文庫) の感想

経絡、指圧、気に興味があって調べている。6冊目。
著者の遠藤氏は、伝統的な経絡を独自に拡張し、タオ指圧として、治療、普及活動にあたっているそうだ。本書は10年ほど前のタオ、気のからだを癒すを加筆、文庫化したもので、最新刊であるとともに、氏の一連の著作の中ではもっとも古いものでもある。
遠藤氏のタオ指圧の真骨頂は超脈、超特穴だが、本書ではそこまでは言及しておらず、古典的中医学を拡張するかたちでタオ指圧を位置づけているので、飛躍がない分、理論的でわかりやすい。この後に続く「気と経絡」癒しの指圧法 (講談社プラスアルファ新書)では話がぶっ飛びすぎていて、どうかするとインチキ宗教っぽくも見える。が、筆者の直感だが、遠藤氏はホンモノだと思う。
超脈をすぐに試して見たいなら気の経絡指圧法　安らぎのツボ・実技篇 (講談社プラスアルファ新書)をお勧めするが、指圧は物理的に圧を加えることではなく患者に共感することだ、と遠藤氏は説くから、まず、下手でもいいからはじめてみよう、はたぶんNG。タオ指圧の手技を学ぶよりもさきに、人としてのあるべき生き方、自己のありようを静かに自省することが肝要だろう。タオ指圧については、まずこれを最初に熟読したい。