きみのためのバラ (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | きみのためのバラ (新潮文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 池澤 夏樹 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101318202 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » あ行の著者 |
購入者の感想
世界中、さまざまな場所を舞台につむがれる短編集。
それぞれの土地の空気が物語ひとつひとつに閉じこめられて、写真集を眺めたような読後感。
このひとの言語感覚は、硬質で透明。
「20マイル四方で唯一のコーヒー豆」なんて、タイトルだけでノックアウトだ。
表題作「きみのためのバラ」。ウナ・ローサ・パラ・ティというスペイン語のひびきがすてき。「これから百年でも忘れないという気持ちで彼女の顔を見て」という一文にぐっとくる。それって恋の本質だよなあ。
それにしても、これだけ多彩な語り手を持つ小説を、それぞれに合う自然な文体で書きわける技のあざやかさよ。おそれいりました、という感じ。
それぞれの土地の空気が物語ひとつひとつに閉じこめられて、写真集を眺めたような読後感。
このひとの言語感覚は、硬質で透明。
「20マイル四方で唯一のコーヒー豆」なんて、タイトルだけでノックアウトだ。
表題作「きみのためのバラ」。ウナ・ローサ・パラ・ティというスペイン語のひびきがすてき。「これから百年でも忘れないという気持ちで彼女の顔を見て」という一文にぐっとくる。それって恋の本質だよなあ。
それにしても、これだけ多彩な語り手を持つ小説を、それぞれに合う自然な文体で書きわける技のあざやかさよ。おそれいりました、という感じ。