The Big Sleep (English Edition) の感想

スターンウッド将軍は四百万ドルの資産家、娘が二人います。二人とも美人ですが、身持ちの悪い放縦な娘です。娘のために大金を払ったこともありますが、またゆすり状がまいこみました。ゆすりに屈するのを潔しとしない将軍は、地方検事の元捜査官フィリップ・マーローに解決を依頼します。マーローは、さっそく調査を始めますが、目の前で人が殺されたり、殺されそうになったり、さまざまな危険に遭遇します。

物語の舞台は３０年代のロサンゼルス。風紀の頽廃した悪の温床です。サム・スペードやフィリップ・マーローのようなタフガイでなければ、探偵稼業はつとまりませんでした。マーローの魅力は、ぶっきらぼうでどすのきいたセリフです。本書はリトールド版ですが、原文の持ち味をそれほど損なわずに書き直されていますので、マーローのセリフの面白さはそれなりに堪能できます。ストーリーの展開が速く、最初から最後までマーローの世界に引きずりこまれてしまいます。