浪速のロッキーを<捨てた>男 稀代のプロモーター・津田博明の人生 (角川書店単行本) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル浪速のロッキーを<捨てた>男 稀代のプロモーター・津田博明の人生 (角川書店単行本)
発売日2014-04-28
製作者浅沢 英
販売元KADOKAWA / 角川書店
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

ボクシングが好きで関連書籍は大体目を通すが、今まで読んだ中で間違いなく三本指に入る傑作である。
だが当初はあまり期待していなかった。
友人に薦められたが、なぜ今頃になって「浪速のロッキー」なのか?と訝しく思った。
しかし読んだ後に分かった。
あの事故の関係者の重い口を開き、深い闇を探るには長い歳月が必要だったのだと。

ノンフィクションの価値は取材の困難さに比例すると思う。
インターネットで検索すれば簡単に調べものができる時代、「堪忍してください」と断る大俳優の赤井英和にしつこく食い下がり、時にハイエナと言われながら関係者が思い出したくもない話をほじくり出す…。
儲からないプロボクシングの世界で金銭トラブルというのは珍しくないが、そういう愉快でない話を敢えて表に出そうとする人は少ない。

津田会長は日本で初めて日本人出場のダブル世界戦を開催するなど、やり手のプロモーターとして知られた人物である。
だが、選手を食い物にする悪徳プロモーターというイメージはない。
むしろ選手のことを人一倍考える優しき指導者である。
赤井とのことついて聞かれると決まって「仕方なかったんや」と答えていたという。
ここにすべての意味が凝縮されている。

本書によれば赤井は津田にとって本命の選手ではなかったという。
だが津田が独立した時、赤井は大学を中退し大勢の練習生を連れて来てくれ、恩義を感じていた。
そのため形だけでも売り出してやろうと思っていたところ、赤井は連続KOという結果を出す。
さらに赤井の人柄に惚れたという大口の支援者が現れ、タレント性を見込んだテレビ局もバックアップしてくれるなど、世界チャンピオンを凌ぐスターへと成長する。
しかし赤井の「賞味期限」を知っていた津田の心は後進の育成にあった。
ジムの移転で借金を背負った津田は当座の現金を得るため、赤井のノンタイトル戦を利用する。
赤井ならノンタイトル戦で1万人の会場を満員にすることができたからだ。
その前座に後進選手の試合を組むが、期待通りの活躍をしてくれず、津田は焦る。。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

浪速のロッキーを<捨てた>男 稀代のプロモーター・津田博明の人生 (角川書店単行本)

アマゾンで購入する
KADOKAWA / 角川書店から発売された浅沢 英の浪速のロッキーを<捨てた>男 稀代のプロモーター・津田博明の人生 (角川書店単行本)(JAN:登録されていません)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.