文学とは何か――現代批評理論への招待(上) (岩波文庫) の感想

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参照データ

タイトル文学とは何か――現代批評理論への招待(上) (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者テリー・イーグルトン
販売元岩波書店
JANコード9784003720417
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 評論・文学研究 » 文学理論

購入者の感想

多分ですが、文学部卒でもなく文学に深い興味もない多くの普通の
人々にとって、文学を読むあるいは文学を理解するということは、
やはり「作者のいわんとすることを把握すること」なのだと思う。
ましてや、そもそも文学とは何かとか、テキスト自体のとらえ方に
これほど諸説百花繚乱しているなどと想像しえようか。

そういう現状も踏まえ、本書を大学の一般教養、できれば高校の
国語の教科書にすべきではないでしょうか(w
いろんな読解の方法があることがわかるし、耳障りのいい
相対化の陥穽も理論の趨勢という実例をもってわかる。

いくつか文学理論の概説書みたいなものはよんでますが
本書はそれらの中でも最もおすすめできるし、いい意味で
ひねくれてるし、発想が独特。

文学理論とか興味なくても「文学」にとどまらない「歴史」とか
「世界の読み方」というもう少し広いところで議論は展開して
いるともいえるし、現在の水準や過去の流れをふまえておくための
一般教養書としてはこれだけよんでおけばいんじゃね?と思うぐら
いです。

いろんな文学理論の本質的なところをのがさず、非常にわかりやすく
語ってくれています(結局それは「文学」だけの問題ではないのですが)。
著者の立場から見た各理論への批判はなかなか手厳しいが諧謔に満ちた
その語り口も本書の大きな魅力になってると思います。
立場が異なる理論への批判は往々にして勘違いや先入見に満ちるものですが
イーグルトンはほんとにその立場の学者が語っているかように対象理論を
深く理解しているようにみえる。
一応、マルクス主義批評という立ち位置になるが使えるもはつかいますぜと
いろんな理論の方法を試しもした彼ゆえ書ける概説書なのかもしれません。

上下巻、電車の中で夢中になって読みました。

本書は、1983年に刊行されたLiterary Theoryの邦訳である。
上巻の構成は以下の通り。
「序章ー文学とは何か?」
「第1章 英文学批評の誕生」
「第2章 現象学、解釈学、受容理論」
「第3章 構造主義と記号論」

以下の点がとくに評価に値する。
1)19世紀後半以降の西洋の文学理論の変遷を歴史の流れに沿って追い、明確に論述したこと。
2)その際、フッサール、ハイデガー、ソシュールなど、文学理論に影響を与えた著作も取り上げ、文学理論との関係を示したこと。
3)文学理論と時代のイデオロギーとの関係を示したこと。
4)それぞれの理論をわかりやすく説明し、その長所と弱点を明らかにしたこと。

翻訳も良い。
文学を研究することの意味や教養とは何かを考えさせる刺激的な本である。

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