定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか? (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | 定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか? (新潮文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 三戸 祐子 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101183411 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » 産業研究 » 交通 |
購入者の感想
久々に鉄道ものの本が読みたいなぁと思って書店で探していたところ、目に付いたのが本書である。昔、列車ダイヤを作る「スジ屋」の話を読んで結構おもしろかった記憶がある(おそらく「列車ダイヤの話」(中公新書))ので、それに類する本というか現代版は何かないかなと思って手に取った次第(「みどりの窓口を支える「マルス」の謎」も一緒に買った)。
この本のテーマは誰でも抱く疑問だが、誰も答えを出していなかったテーマ、つまり、「世界中でなぜ日本の鉄道だけ驚異的な定時運行率を達成しているか」である。これが、日本人の気質(きちょうめんな運行側とせっかちな客の側の期待)によるものなのか、貧弱な整備で膨大な需要に対応するための生活の知恵なのか、この辺りを読み解いていく作業が続けられる。
鉄道を描いた本(雑誌もそうだが)は、およそ、技術的な話を中心に話が進み結果としてバランスの悪いものになっているケースが多いが、本書は、経済学的、経営学的な視点が随所に入っており、新鮮というかはっとさせられる点も多い。読んでいくうちに、鉄道は日本という産業国家の強力なインフラとして、道路交通網とともに日本の競争力を大きく下支えしているのではないかとも感じた。
なお、最近読んだ英国人(多摩大学名誉学長のグレゴリー・クラーク)のエッセイに、日本人が世界に誇るべきものとして「新幹線」をあげて、「あの流線型の怪物が完璧なタイムスケジュールで、数分おきに滑るように駆け抜けていくのを見ると、この奇跡的な仕組みと完璧さを生み出した民族は、まさに卓越した存在と認めざるを得ません」と書いているが全く同感。なお、他には、「「サービス精神」と責任感」(大晦日でもテレビの修理に来てくれる国は他にないとのこと)、さらには、「日本人の尋常でない正直さ」(落とし物が手つかずで戻ってくる国は他にないとのこと)をあげているが、これまたいたく賛同するところである(蛇足ですが)。
この本のテーマは誰でも抱く疑問だが、誰も答えを出していなかったテーマ、つまり、「世界中でなぜ日本の鉄道だけ驚異的な定時運行率を達成しているか」である。これが、日本人の気質(きちょうめんな運行側とせっかちな客の側の期待)によるものなのか、貧弱な整備で膨大な需要に対応するための生活の知恵なのか、この辺りを読み解いていく作業が続けられる。
鉄道を描いた本(雑誌もそうだが)は、およそ、技術的な話を中心に話が進み結果としてバランスの悪いものになっているケースが多いが、本書は、経済学的、経営学的な視点が随所に入っており、新鮮というかはっとさせられる点も多い。読んでいくうちに、鉄道は日本という産業国家の強力なインフラとして、道路交通網とともに日本の競争力を大きく下支えしているのではないかとも感じた。
なお、最近読んだ英国人(多摩大学名誉学長のグレゴリー・クラーク)のエッセイに、日本人が世界に誇るべきものとして「新幹線」をあげて、「あの流線型の怪物が完璧なタイムスケジュールで、数分おきに滑るように駆け抜けていくのを見ると、この奇跡的な仕組みと完璧さを生み出した民族は、まさに卓越した存在と認めざるを得ません」と書いているが全く同感。なお、他には、「「サービス精神」と責任感」(大晦日でもテレビの修理に来てくれる国は他にないとのこと)、さらには、「日本人の尋常でない正直さ」(落とし物が手つかずで戻ってくる国は他にないとのこと)をあげているが、これまたいたく賛同するところである(蛇足ですが)。