きのう、火星に行った。 (講談社文庫) の感想

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参照データ

タイトルきのう、火星に行った。 (講談社文庫)
発売日販売日未定
製作者笹生 陽子
販売元講談社
JANコード9784062750226
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » さ行の著者

購入者の感想

小学校6年生の男の子が主人公の児童小説

作者の笹生さんは、「ぼくらのサイテーな夏:などさわやかな児童小説を
書かれる方です。この作品もちょっと陰がある少年が本気になる読後感のよい作品です。

あらすじは、教室の隅っこで友だちと交わらずクールに過ごしている小学6年生が
気づくと、障害走の選手に勝手に選出されていたり、体が弱い弟が一緒に住むことにより
突然降って湧いたはちゃめちゃな弟がいままで自分が占有していたものを我が物顔で使っていたり
かなり、痛い状況になります。さらに障害走で一緒に走るのは、運動神経を
どこかに忘れていった「でくちゃん」。この困った状況で、ふと自分に
気づいてしまうのがこの小説です。

表紙のオビの「みんな大切なことを忘れてしまう」という言葉が
しっくりくる、この主人公の心の成長が感動を呼ぶ作品になっています。
児童小説ならではの平易な言い回し、会話中心の話の展開は、小学生でも充分読みこなせる
レベルの作品ですが、児童小説の一部にみられるおもしろみの無い作品にはなっていない
のがこの作品のすばらしいところです。

160ページぐらいですので、子供でも1日で読めるかもしれません。が
中学入試で使われているぐらい、以外と主題が隠れていて、ライトノベルのように
読み飛ばしで読めるような内容ではないです。
とはいえ、とても読後感もよく、小学生の視線からうまく捉えようとする
この作品は、とても良くできているとおもいます。おすすめです

主人公は、小学生とは思えないほどクールな(冷めてる)拓馬。
本気なんて出さなくても何でも出来てしまう天才肌だが、
その代わり夢中になれるものも何ひとつない。
そんな拓馬が、一つ年下の病弱な弟の出現によって少しずつ変わっていく・・・
何事にも冷めた視線を投げかける拓馬は一見ナマイキですが、
読み進めていくうちに自分を見ているような不思議な感覚に陥りました。
「無意識のうちに自分を甘やかし、妥協という道を選んでしまう」
この作品はそんな私たちの図星を容赦なく突いてきます。
やさしい温かみと、微かな情熱の種を心に残しながら・・・
最近熱くなってないなぁ・・・という方におすすめです。

 「クールなほうが恰好良い」って思いがちな年齢の時期。

 けれど「熱い」って「恰好良いこと」でもあることが伝わる。

 「冷めきった」主人公が、環境の変化で徐々に変化していく。

 「突然」ではなく「徐々に」と言う部分が「現実味」があって良い。

 出来すぎた物語という感じがしなくて、入りやすい。

 押し売り的な要素は全くないから読みやすいし、かえって曲がった見方をしなくて済む。

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