ストラテジストにさよならを (ゲーテビジネス新書) の感想

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タイトルストラテジストにさよならを (ゲーテビジネス新書)
発売日販売日未定
製作者広木 隆
販売元幻冬舎
JANコード9784344992023
カテゴリ » ジャンル別 » 投資・金融・会社経営 » 株式投資・投資信託

購入者の感想

著者は大和証券を皮切りに内外の投信運用会社を渡り歩き、現在マネックス証券のチーフ・ストラテジストだ。株式投資の入門書として評価できる。現代投資理論の基礎を踏まえながらも、株式投資に永年係って来た人間としてのうんちくというか、特有のセンスをきかして展開している点が共感を持ている。

ナシム・タレブの著書(「ブラックスワン」と「まぐれ」)を2回引用して「連中(ストラテジスト)は芸人に過ぎないのだ」「身も蓋もないが、ストラテジストは(私を含めて)みんな能力的には五十歩、百歩だろう。能力というのは相場の先行きを占う能力である。本当に相場を当てられるなら、ひとに教えたりしないで自分で相場をはる」と素直に言い切っているのも良い。

著者は長期&分散投資の原則を尊重しながらも、テキスト的な主張とはちょっと違う主張をしている。そりゃあそうだ。日本株を対象にする限り、過去20年間もテキスト的な長期分散投資をしていてもマイナスのリターンでしかない。

それでも2000年以降で東証の銘柄の48%はプラスのリターンだそうだ。どうやって自分のポートフォリオからマイナス銘柄を捨て、プラス銘柄を長期に保有するかが問題になる。著者はある程度多銘柄に分散投資する形でスタートし、ダメ銘柄は10%程度で損切りすることでポートフォリオから淘汰しなさいという。 
う〜ん、それで本当にインデックスよりリターンが上がるかどうか、確証はない。著者も確証などは与えていない。しょせんやってみなければわからない不確実ゲームだと言う。その通りだね。

7章の「現在の日本株は割安ではない」は現状分析として一考に値する。現在の日本株はPBRで1を割り、0.9程度であり、一見割安であることをを示している。

PBR=ROE×PERである。

従ってPERが趨勢的に一定ならば、ROEとPBRの間に相関関係がみられるはずだ。確かに米国ではそうなっている。ところが日本では1998年から現在までで見ると相関関係がほとんどない。これはROEを投資尺度として重視してこなかった日本の株式市場の特殊性だと解釈する。
ところが、日本でも2005年以降に限定すると相関関係が見られる。

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