進撃の巨人 悔いなき選択(1)特装版 (KCデラックス) の感想

BD6巻特典既読済み、数種あるスピンオフも全てチェック済みとしての意見です。

・リヴァイのキャラ造形について

スピンオフを読むにあたり、リヴァイの性格が『進撃の巨人』本編とは異なるということを念頭に置いたほうが
良いと思います。
原作のそのままの性格を期待しないほうが吉です。

この作品は本編開始以前のリヴァイの過去編であるということを売りにしています。
登場するのは「調査兵団に所属し、修羅場をくぐって兵士長になる前のリヴァイ」です。
いうならば、猿山の大将状態（言い方は悪いですが）といっていいでしょう。
そう考えれば青臭い、凄味がたりない性格だったとしても違和感は感じませんでした。
ただ、かなりの人気キャラですし、原作者の描いたリヴァイ以外は受け入れられないという方もいるでしょう。
そういった方は2巻からは購入を見送っても構わないと思います。
VNを最後までプレイした身としては、この話はリヴァイの成長物語といった側面も感じたので、スピンオフ中の彼は
まだまだひよっこ。
状況を甘く見すぎな点もあり、まさしく都のゴロツキといった感じです。

・絵、画面構成について

スピンオフに求めるものは人それぞれですが、リヴァイの心理描写を追いたいなら◎、アクションシーンを求めるなら△といったところです。

リヴァイはもともと表情が少ないキャラですが、わずかな目元や口元の変化でキャラの心情を描き分ける描写力はかなりのものだと感じました。
日常風景などは丁寧さもあり、安心して見ていられます。
ただ、アクションとなるとどうしても迫力不足です。
原作と同じようにぐりぐり動いて、ガンガンアクションをこなして…を期待するなら厳しいです。
初連載ということもあり2巻以降に期待したい気持ちはありますが、緊迫感や躍動感ある戦闘シーンを求めるなら
原作か『Before　the fall』のほうがおすすめです。