本居宣長『古事記伝』を読む 1 (講談社選書メチエ) の感想

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参照データ

タイトル本居宣長『古事記伝』を読む 1 (講談社選書メチエ)
発売日販売日未定
製作者神野志 隆光
販売元講談社
JANコード9784062584616
カテゴリ古典 » 日本の古典 » 近世文学 » その他の近世文学

購入者の感想

本居宣長の『古事記伝』の解説書です。この本はシリーズの一冊目で『古事記伝』の全四十四巻のうち一之巻から十之巻までが対象です。最初に『古事記伝』に従った『古事記』の読み下し文を示して、次に『古事記伝』を引用しながら著者が解説しています。本居宣長が現代の学者以上に論理的、分析的に『古事記』を研究していたことに驚かされました。

この本の文体が「ですます」体なのは広い読者を想定したのだと思いますが、それならば、専門家以外でも読めるようにもう少しルビを増やして欲しかったと思います。大学の国文科で上代文学を専攻した人が対象なのでしょうか。専門家には常識なのかもしれませんが、一般の漢和辞典では「訓み方」がわからない文字がかなりありました。

また、あとがきに「読むことに徹して」とありますが、その割には著者の意見と他の研究者への批判がたくさん入っています。また、自著を読むように勧める紹介が所々にあるのも気になりました。分野は異なりますが学術論文を書くことがありますのでその気持ちは理解しますが、一般の研究者向きの総説(レビュー)を書くときには、個人的に容認しがたい学説であっても査読を通っているものなら紹介しますし、長々と反論したりなどしません。大野晋さんの説への長い反論は研究者向きの本に書くべきことで、この本の読者の関心外と思いました。

ちょうどこれから『古事記伝』を読もうと思っていたので、本書を手に取りました。『古事記伝』を参照しながらのほうが良かったかもしれませんし、むしろ、そちらを先に読んでからのほうが良かったと思います。シリーズの二冊目は専門の研究者でなくても読めるようにルビを増やしていただきたいし、一般の読者のために広い意見を紹介していただきたいと思います。この本は失礼ながら、対象としている読者がはっきりしていないと感じました。

〔追記〕
この本を読んだあとに、溝口睦子さんの『

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