感情 (〈1冊でわかる〉シリーズ) の感想
参照データ
タイトル | 感情 (〈1冊でわかる〉シリーズ) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ディラン エヴァンズ |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784000268844 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 » 心理学入門 |
購入者の感想
「私が望むところは、情動がいかに働くかについてより多く知ることによって、少しでも、私たちが、より惨めな生活ではなく、より豊かな生活をおくり得るようになるということである。」(まえがき、viiページより)
我々の多くは、理性と感情というものは互いに相反するもので、「合理的」という言葉は殆ど「非感情的」という言葉と同じような意味で使っているのではないでしょうか。賢明な選択というのは、感情を交えず、理性に基づいて導き出されたものである、と考えているのではないでしょうか。
著者は、そのような立場は取りません。
「聡明なる行為は、情動と理性との調和的な融合の結果、生じると考える。もし情動を持たない生き物がいたとしたら、それは、私たち人間よりも理性にまさるどころか、むしろ劣ると信じるものであり、また、その一方で、心(情)よりは頭(知)に耳を傾けた方がよい場合もあると考えるものである。いついかなるときに情感に従い、また逆にそれを無視すべきかを知り得る力は、ときに『情動的知性』とも呼ばれる貴重な才能なのである。」
(まえがき、vi-viiページより)
情動は、決して賢明な選択の妨げとなるようなものでも、完全に切り捨てられるべきものでもありません。著者の言葉を借りれば、「情動には情動なりの固有の理性がある」のです(情動が存在するのにも、それなりの合理的な理由がある、ということです)。その多くは人類の原初の世界において培われたもののようですが、人が人の中で、自然の中で生き続ける限り、情動は不可欠なものであり続けるでしょう。
我々の多くは、理性と感情というものは互いに相反するもので、「合理的」という言葉は殆ど「非感情的」という言葉と同じような意味で使っているのではないでしょうか。賢明な選択というのは、感情を交えず、理性に基づいて導き出されたものである、と考えているのではないでしょうか。
著者は、そのような立場は取りません。
「聡明なる行為は、情動と理性との調和的な融合の結果、生じると考える。もし情動を持たない生き物がいたとしたら、それは、私たち人間よりも理性にまさるどころか、むしろ劣ると信じるものであり、また、その一方で、心(情)よりは頭(知)に耳を傾けた方がよい場合もあると考えるものである。いついかなるときに情感に従い、また逆にそれを無視すべきかを知り得る力は、ときに『情動的知性』とも呼ばれる貴重な才能なのである。」
(まえがき、vi-viiページより)
情動は、決して賢明な選択の妨げとなるようなものでも、完全に切り捨てられるべきものでもありません。著者の言葉を借りれば、「情動には情動なりの固有の理性がある」のです(情動が存在するのにも、それなりの合理的な理由がある、ということです)。その多くは人類の原初の世界において培われたもののようですが、人が人の中で、自然の中で生き続ける限り、情動は不可欠なものであり続けるでしょう。