VINTAGE HOME ビンテージハウスで楽しむスタイルのある暮らし の感想

「古い家が好きな人」にはたまらない1冊.どのお家にも個性があって見ていても楽しい。飽きない。
子供の頃に植物図鑑を見てわくわくしたあの感覚とちょっと似ている。もう目にすることも少なくなった絶滅危機にある生物と化したかの様な、でも美しいのである。これは好みの分かれるところで使い捨てのようにものを消費し、新しいものに価値を見出している人たちからは理解されにくい世界だと思う。古い＝汚い　としか連想できない人も確かに存在する。古い長屋がその昔は「貧困」に結びついたイメージがあったことも・・。
でも家も人間も生き物だなと感じる。一緒に生きてまた次の世代につないでいけるパートナーのようなもの。それがしっかりこの本に登場している人達の暮らしに表現されていている。掲載されている人達は建築家であったり、陶芸家、イラストレーターなど皆センス溢れる人ばかりなのでかっこいいのは当たり前かもしれないが私たち一般人が古い家にこだわりたい時、こんなふうに暮らしたいと理想に燃え、妄想を膨らませているなら素敵なお手本になると思う。おだやかでやさしい気持ちを育むものがどことなく個々の家にあって癒される。