黒い看護婦―福岡四人組保険金連続殺人 (新潮文庫) の感想

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タイトル黒い看護婦―福岡四人組保険金連続殺人 (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者森 功
販売元新潮社
JANコード9784101320519
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

保険金目当ての、異常なまでに金に執着する中年女性に脅迫された同僚の看護士3人が殺人計画に加担させられていく悲劇を語るノンフィクション。

人間が犯罪行為の加害者になる過程で最も多いのが
・金銭問題のトラブル
であろう。ギャンブルや放蕩・浪費で作った借金を返済するために短絡的に犯罪に手を染める人間は多い。
次いで多いのが
・男女関係のもつれ
所謂、痴話喧嘩ということになるが、両者の複合型というのもよく聞く話である。

これに次ぐのが「怨恨」だろうか。これは恨みを晴らすことが目的で、金銭が目的ではない分だけ計画性のあるものが多いようだ。

この事件の主犯格である女性も、とにかく湯水の如く金を使いまくり、贅沢三昧を繰り返し、借金で首が回らなくなると
身近にいる人間から金を騙し取るという詐欺行為を繰り返していた。

それがエスカレートしていった果てについには「保険金殺人」にまで手を染めていくのである。
問題はそれが彼女の共犯であるところの同僚の女性看護士3人の身内(夫や母親)が被害者であったという点である。

そんなことに通常の感覚では加担するわけがないだろう!と、多くの人は考えるだろうが、
彼女たちは最終的には自分の夫や母親を殺害することに加担させられていくのだ。

その原因が主犯格による他の3人の精神的な弱さに付け込んだ「嘘の数々」である。
彼女は得意の嘘で親族や仲のいい友人同士の悪口を吹聴することで、お互いを疑心暗鬼に陥らせる。
そこで悩む彼女たちを助ける「親切な親友」を演じることで金を巻き上げていくのであった。

やがて3人を同居させ、まるで「奴隷」の如く自らに尽くさせる。
身の回りの世話や子供の送り迎え、さらには性欲の捌け口にまで使う様は「悪女」の名が相応しい。
さらに繰り返される「暴力」が、3人に逆らったら何をされるのか分らないという恐怖心を植え付ける。

異常なのは主犯の女で、他の3人は彼女に出会わなければ普通の人生を送っていたかのような平凡な女性である。

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