日・韓・中 トンデモ本の世界 (トンデモ本シリーズ) の感想

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参照データ

タイトル日・韓・中 トンデモ本の世界 (トンデモ本シリーズ)
発売日販売日未定
製作者と学会(唐沢俊一・明木茂夫・かに三匹・クララ・キイン・原田実・稗田おんまゆら)
販売元サイゾー
JANコード9784904209554
カテゴリ人文・思想 » 本・図書館 » 目録・カタログ・インデックス » 選定図書総解説・目録

購入者の感想

本書は、往時に話題となった「と学会」他による「トンデモ本シリーズ」の1つである。このページの上の「商品の説明」には、「韓国にも中国にも日本にもトンデモ作品はある!」として「『嫌 韓』『嫌 中』『反 日』の本質に迫る」のが、本書のコンセプトであるらしいが、中国(第2章)及び日本(第3章)は、章立てないしトピックタイトルに無理があろう。第2章で扱っている「中国にも」見える「ト ン デ モ 作 品」は、「山海経」関連の日本で出版された書籍他が題材であり、本書の趣旨に従うならば第3章に分類されるべきである。現に第3章では、“南北・朝 鮮”や中国をテーマとする書籍を扱っている。かかる点で第2章は長めのコラムによる、もっぱら中国のコミック・アニメ事情であり、例えば中国流“模 倣”事情などに関する批判的筆致は殆ど見えず、むしろ好意的な印象があって前示書籍に対する批判的筆致とは対照的で違和感がある。日・韓・中と3ヶ国揃い踏みの趣旨は理解できなくもないが、内容からすると強引さは否めない。また第3章で取り上げられている書籍からすると、「一人前の国家になりたくて背伸びを続ける国・日本」と言うのは、些か違和感もあり“自 虐”に過ぎよう。同章に展開される「インタビュー」系はともかくとしても、古代国家系、推理系、大陸・半島起源論系等のトピックの趣旨に、「一人前の国家」云々願望が窺えるとも思えないからである。

右のように第2・3章の構成面を除けば、良くも悪くも「トンデモ本シリーズ」のテイストは感じられる。個人的にはやはり何かと巷間仄聞する“ウ リ”ジナルなトピックの「究極の『韓 国 起 源

本書は、往時に話題となった「と学会」他による「トンデモ本シリーズ」の1つである。このページの上の「商品の説明」には、「韓国にも中国にも日本にもトンデモ作品はある!」として「『嫌 韓』『嫌 中』『反 日』の本質に迫る」のが、本書のコンセプトであるらしいが、中国(第2章)及び日本(第3章)は、章立てないしトピックタイトルに無理があろう。第2章で扱っている「中国にも」見える「トンデモ作品」は、「山海経」関連の日本で出版された書籍他が題材であり、本書の趣旨に従うならば第3章に分類されるべきである。現に第3章では、南北“朝 鮮”や中国をテーマとする書籍を扱っている。かかる点で第2章は長めのコラムによる、もっぱら中国のコミック・アニメ事情であり、例えば中国流“模倣”事情などに関する批判的筆致は殆ど見えず、むしろ好意的な印象があって前示書籍に対する批判的筆致とは対照的で違和感がある。日・韓・中と3ヶ国揃い踏みの趣旨は理解できなくもないが、内容からすると強引さは否めない。また第3章で取り上げられている書籍からすると、「一人前の国家になりたくて背伸びを続ける国・日本」と言うのは、些か違和感もあり自虐に過ぎよう。同章に展開される「インタビュー」系はともかくとしても、古代国家系、推理系、大陸・半島起源論系等のトピックの趣旨に、「一人前の国家」云々願望が窺えるとも思えないからである。

右のように第2・3章の構成面を除けば、良くも悪くも「トンデモ本シリーズ」のテイストは感じられる。個人的にはやはり何かと巷間仄聞する“ウ

別のレビュアーの方が書いているように、自分もタイトルを見て、最近の嫌韓本・嫌中本が多数取り上げられているのかと思った。それらが入ってないことには少し残念な気持ちがしたのも事実だ。
しかし本書を読んでみて、最近の嫌韓本・嫌中本が取り上げられていない理由がわかった気がした。本書はもっと「深い」ところを目指しているのではないかと思ったのだ。本書は冒頭で日本こき下ろし本の「オリジナル」的な本が紹介されている。続いて、統一教会教祖の自伝本、究極のウリジナル本、日韓架空戦記、日本語・韓国語のルーツが百済語にあると主張する本、読売新聞が北朝鮮を賛美していたムックなどが取り上げられている(第1章)。
第1章で多くの原稿を書いている水野俊平氏は別の本(『笑日韓論』)で、嫌韓本の内容は嘘や誤りではないが、韓国の否定的な部分のみを集めて書かれている、と評している。つまり、最近多く出版されている嫌韓本は間違った内容が書かれているわけではないので、直接批判するのが難しいのだろう。そこで、本書では嫌韓本を取り上げるのではなく、上記のような本を紹介して、日本や韓国でどんなトンデモ本が出版されているかを考察し、日韓関係の現状にも思いを巡らせたのではないか。
また最近の嫌韓ブームをまったく取り上げていないかというとそんなことはない。本書の最後で唐沢俊一氏が「反韓デモは若者によるアドレナリン放出活動ではないか」と鋭く分析する論考を寄せている。
以上の点で、私は本書を「嫌韓本・嫌中本を取り上げることなくして、日・中・韓のトンデモ本を紹介した本」として楽しませてもらった。また百元籠羊氏による中国のオタク事情の報告も勉強になった。
テーマがテーマなのでお気楽に笑える本は少ないが、クララ・キイン氏の原稿などでは大いに笑わせてもらったことも付記しておきたい。

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