窓辺の老人 (キャンピオン氏の事件簿1) (創元推理文庫) の感想
参照データ
タイトル | 窓辺の老人 (キャンピオン氏の事件簿1) (創元推理文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | マージェリー・アリンガム |
販売元 | 東京創元社 |
JANコード | 9784488210045 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学 |
購入者の感想
[収録作品]
ボーダーライン事件
窓辺の老人
懐かしの我が家
怪盗〈疑問符〉
未亡人
行動の意味
犬の日
我が友、キャンピオン氏(エッセイ)
日本オリジナル編集の短編集第一巻。
1930年代に書かれた作者初期の短篇、その多くが〈ストランド・マガジン〉に発表された物だが、同じ雑誌に掲載されたホームズ譚を思わせるアイデアの冴えと巧みな展開の妙が味わえる。
長編『屍衣の流行』や『霧の中の虎』のような重厚さは無いが、軽妙で優雅な語り口と僅かな紙数で鮮やかに登場人物を描き分ける筆力はさすが英国四大女流ミステリ作家の一人とされるだけある。
アンソロジー・ピースとして知られる一種の不可能犯罪物「ボーダーライン事件」も面白いが、キャンピオンがとんだ災難に遭遇する「懐かしの我が家」や奇妙な新発明を巡る発端から意外な展開を見せる「未亡人」といったコン・ゲームを題材にした作品のスラップスティック喜劇的な愉快さを堪能。また初期のピーター卿を思わせるキャンピオンのノーブルなキャラクターも好ましく、登場人物たちとの丁々発止なやり取りも微笑ましい。
しばし時の経つのを忘れる、クラシックな探偵小説を読む悦びに満ちた好短編集。続編の速やかな刊行と未訳長編の紹介も期待したい。
ボーダーライン事件
窓辺の老人
懐かしの我が家
怪盗〈疑問符〉
未亡人
行動の意味
犬の日
我が友、キャンピオン氏(エッセイ)
日本オリジナル編集の短編集第一巻。
1930年代に書かれた作者初期の短篇、その多くが〈ストランド・マガジン〉に発表された物だが、同じ雑誌に掲載されたホームズ譚を思わせるアイデアの冴えと巧みな展開の妙が味わえる。
長編『屍衣の流行』や『霧の中の虎』のような重厚さは無いが、軽妙で優雅な語り口と僅かな紙数で鮮やかに登場人物を描き分ける筆力はさすが英国四大女流ミステリ作家の一人とされるだけある。
アンソロジー・ピースとして知られる一種の不可能犯罪物「ボーダーライン事件」も面白いが、キャンピオンがとんだ災難に遭遇する「懐かしの我が家」や奇妙な新発明を巡る発端から意外な展開を見せる「未亡人」といったコン・ゲームを題材にした作品のスラップスティック喜劇的な愉快さを堪能。また初期のピーター卿を思わせるキャンピオンのノーブルなキャラクターも好ましく、登場人物たちとの丁々発止なやり取りも微笑ましい。
しばし時の経つのを忘れる、クラシックな探偵小説を読む悦びに満ちた好短編集。続編の速やかな刊行と未訳長編の紹介も期待したい。