しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書) の感想

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参照データ

タイトルしがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)
発売日販売日未定
製作者香山 リカ
販売元幻冬舎
JANコード9784344981324
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 倫理学・道徳 » 倫理学入門

購入者の感想

 帯にある「勝間和代を目指さない」に思わず手に取った本。「目からウロコ」のような新しいこと、流行のハウツーことは何も書かれていないに等しい。成功を収め続けている人(例えば勝間さん)の声に耳を澄ますか、心の病をたくさん見てきた著者の声に耳を澄ますか、は個人の選択である。ただ、右肩成長ができないことに罪悪感を感じたり、右肩を目指さないと敗北者とみなされたり、ということに疲れきったら、成功のハウツーばかり買いあさるのは考え直したほうがいいのだ、とこの本を読んで思った。

 向上心を持つこと、夢を持つこと、目標を持つことの大切さを常々思っていたが、実際はこれらは人を必ずしも幸福にしない。夢や目標に向かって努力し、日常に小さな達成感を持つことは大切なことだ。しかし、目標や理想を追ってばかりいると、今の自分をどんどん卑屈にしてしまう。この辺りの事情やさりげないアドバイスが臨床で沢山の事例を見てきた著者の視線で書かれている。「勝間和代を目指さない」という章では、彼女の著書「断る力」について、「実際は依頼が来ない人のほうが多いのではないか」と著者は言う。まさにその通り。「そんな仕事できるか!」と「拒否」できるほど恵まれた人間はそうはいないだろう。勝間さんが悪いのではない。大事なのは、自分の状況を無理に成功者のテンプレートにはめようとしないことだ。そんな無理は長く続かない。頑張ることは必要だが、続かない無理は体に変調をきたす。そんなバランス感覚について語った本。精神科医の話を聞けるという意味で一読の価値はある。

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幻冬舎から発売された香山 リカのしがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)(JAN:9784344981324)の感想と評価
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