ポプラの秋 (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトルポプラの秋 (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者湯本 香樹実
販売元新潮社
JANコード9784101315126
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » や・ら・わ行の著者

購入者の感想

久しぶりの感動本となりました。人間愛というか、純粋な心と心の触れ合いが、とても素敵なのです。小さなアパートに暮らす人達。赤の他人でも、ほどほどの距離でつながっている生活。それほど裕福に暮らしているとは思えないけれど、助けを必要とする人を見かけたら、自然に手を差し伸べていく.こういう環境って、今、存在しているのかなあ..最近は、洗濯機はもちろん家の中だし、近所の人達と、落ち葉拾いして、焚き火をすることも稀だと思う。ましてや、そんな焚き火をみつけて、さつまいもを買ってくるおねえちゃん。気取りもなく、自然体で生活していることが、なんて心地よく、思いやりに満ちているでしょう。
 いろんな世代の人が混じって生活することがとても普通だったのに、それが今では希薄になってきているように思います。だから他人同士、世代が異なる人達の触れ合いがとても気持ちいいということを教えてもらえて、心がほかほかしてくるのでしょうね。
 臆病で、危なげだった主人公が、おばあちゃんとの絆を強めていく。そして、精神的にも癒されていくといったストーリーもいいものです。子供って、自分の心がとても傷ついていることがわからないんだろうなあ。病んでいることがわからないので、自分の感情に戸惑い、不安、恐怖を覚えてしまう。亡き父へ手紙を書くことで、自分の心を受け止められるようになった主人公。本当におばあちゃんの存在は大きいですね。しかし、このおばあちゃん、なかなかのお人ですよ。ほのぼの系おばあちゃんではないところも、現実的でいいです。こういうおばあちゃんが実在し、その良さががわかる人達がたくさんいる社会っていいなあ。
 ストーリーの最後に明かされる主人公のお母さんの手紙には、涙が止まらなかったです。お母さんも辛かったのですね。彼女なりに娘を思う、深い愛情を知りました。
 稀にみる一等級の作品に出会えたと思います。

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