憲法の急所―権利論を組み立てる の感想
参照データ
タイトル | 憲法の急所―権利論を組み立てる |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 木村 草太 |
販売元 | 羽鳥書店 |
JANコード | 9784904702260 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 法律 » 憲法 |
購入者の感想
宍戸本を読んでいて、憲法が楽しくなってきたので、立ち読みしてみたらおもしろかった「急所」を購入。
こんなに売れている本とはいざ知らず 笑
最近は、宍戸本とこの「急所」が大人気の様子ですが、両者はその目的がちょっと違うので注意が必要かと思います。
宍戸本は、従来の受験生の思考から脱却して、憲法の根本的な考え方、基礎的な理念を考えなおしてほしいというのが目的と思います。
「とりあえず違憲審査基準」という考え方に警鐘を鳴らしているといってもいいでしょう。
これに対して急所はそういった憲法の解釈論を踏まえつつ「じゃぁ、どうやって書くの?」という疑問に答えるような形式で記述がなされています。
憲法論は正直、学生にとってもっとも難しい分野だと思います。
新司でも、出題趣旨に十分に応えているとはいえない答案(違憲審査基準の勘違い、人権の定義の間違いなど)がトップ答案になっていることからも、考査委員が学生に対して理論的なことはあまり深く求めていないと考えられます。しかし、それは「学生が理解していない、理解できない」からではないでしょうか。
そんな中、こういった憲法論の理解をいかにして答案に表現するかを教授する書籍が登場したのならば、他と「差をつける」ために読まない手はありません。
あわせて、著者のブログも参考にすると、おもしろいかと思います。
こんなに売れている本とはいざ知らず 笑
最近は、宍戸本とこの「急所」が大人気の様子ですが、両者はその目的がちょっと違うので注意が必要かと思います。
宍戸本は、従来の受験生の思考から脱却して、憲法の根本的な考え方、基礎的な理念を考えなおしてほしいというのが目的と思います。
「とりあえず違憲審査基準」という考え方に警鐘を鳴らしているといってもいいでしょう。
これに対して急所はそういった憲法の解釈論を踏まえつつ「じゃぁ、どうやって書くの?」という疑問に答えるような形式で記述がなされています。
憲法論は正直、学生にとってもっとも難しい分野だと思います。
新司でも、出題趣旨に十分に応えているとはいえない答案(違憲審査基準の勘違い、人権の定義の間違いなど)がトップ答案になっていることからも、考査委員が学生に対して理論的なことはあまり深く求めていないと考えられます。しかし、それは「学生が理解していない、理解できない」からではないでしょうか。
そんな中、こういった憲法論の理解をいかにして答案に表現するかを教授する書籍が登場したのならば、他と「差をつける」ために読まない手はありません。
あわせて、著者のブログも参考にすると、おもしろいかと思います。
司法試験の難しさは、「自分で法解釈をし、そこにあてはめをして、論理一貫した結論を出さなければいけない」
というところにある。特に憲法は、基本的には合憲論・違憲論(あるいは基準を下げたり・上げたり)そして自分の
意見を述べなければならないもので、最も極めるのが困難な法律科目であると思われる。
そのほかにも、そもそも権利侵害があるのか、も最近は難しくなっているようなので、受験生は大変だと思う。
実務では、まず憲法論を使うことはほとんどないが、それでも、適用違憲はたまに使いたくなるときはあったりするので、
決して無駄ではない。
前置きが長くなったが、要するに本書はこれらの司法試験の難解極まる憲法を解くためのヒントが盛りだくさんなのである。
この本は、最低10回は通しで読まないと理解できない。でも、10回読めば、著者の言っていることが分かると
思う。言っていることは、基本的に宍戸教授と同じだし、もっといえば芦部先生とだって変わらないというのが
味噌であろうか。
違憲審査基準を立てない書き方というのは、なれない内は難しいが、基本的には比較衡量で、すべての事実を拾って
評価できた者が高い評価を得ていることは間違いない。違憲審査基準に縛られては、結局事実を拾えない。事実を拾うための
基準が正しい基準であり、どうすればそういう書き方ができるのかが本書を読む目的ではないか。
多くの受験生が読む本であり、やはり読まずに措くのは危険である。ただし、受験本番半年前までが限度で、それ以上
受験が近づくと、結局消化不良になるので、お勧めできない。
というところにある。特に憲法は、基本的には合憲論・違憲論(あるいは基準を下げたり・上げたり)そして自分の
意見を述べなければならないもので、最も極めるのが困難な法律科目であると思われる。
そのほかにも、そもそも権利侵害があるのか、も最近は難しくなっているようなので、受験生は大変だと思う。
実務では、まず憲法論を使うことはほとんどないが、それでも、適用違憲はたまに使いたくなるときはあったりするので、
決して無駄ではない。
前置きが長くなったが、要するに本書はこれらの司法試験の難解極まる憲法を解くためのヒントが盛りだくさんなのである。
この本は、最低10回は通しで読まないと理解できない。でも、10回読めば、著者の言っていることが分かると
思う。言っていることは、基本的に宍戸教授と同じだし、もっといえば芦部先生とだって変わらないというのが
味噌であろうか。
違憲審査基準を立てない書き方というのは、なれない内は難しいが、基本的には比較衡量で、すべての事実を拾って
評価できた者が高い評価を得ていることは間違いない。違憲審査基準に縛られては、結局事実を拾えない。事実を拾うための
基準が正しい基準であり、どうすればそういう書き方ができるのかが本書を読む目的ではないか。
多くの受験生が読む本であり、やはり読まずに措くのは危険である。ただし、受験本番半年前までが限度で、それ以上
受験が近づくと、結局消化不良になるので、お勧めできない。