ある女 の感想

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参照データ

タイトルある女
発売日販売日未定
製作者岩井 秀人
販売元白水社
JANコード9784560082850
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » 戯曲・シナリオ

購入者の感想

 刺戟のつよい作品だった。
 目のつけどころがいい。不倫と売春をめぐるお芝居、といっていいのかな。
 短いセリフのやりとりのあちこちに、ああ、これが今の時代のことばなんだなあ、と妙に納得させる才気を感じた。

 その反面、脚本を読んだだけでは舞台のイメージがどうにもつかみにくいもどかしさをおぼえた。あくまでも私の場合だけど。
 これって、世代のちがいによるものなんだろうか。いっぺん公演を観てみないと、よくわからない。

 だけど、あとがきのこんな青臭いくだりには興ざめしてしまった。

 《あ、東電OL事件のことを上演時に言われましたが、僕はその事件を知らないです。すみませんなんか。テレビも見ないし、本もロクに読まないので……。》

 あるいは、それを野田秀樹に指摘されたことがよほど腹に据えかねたのかもしれないが、こういう開き直りのようなことばを返すのはいかがなものだろうか。
 担当の編集さんは、ひとこと助言してあげればよかったのに。

 それから、題名がいささかボンヤリとしているかなあ。じゃあ、どうしたらいいですか、と訊ねられても困るが。
 有島武郎の「或る女」とはなんの関係もないですね。
 もしかすると、岩井秀人はそんな題名の長篇小説があることを知らなかったのかもしれない。

 

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