ジムに通う人の栄養学 (ブルーバックス) の感想

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参照データ

タイトルジムに通う人の栄養学 (ブルーバックス)
発売日販売日未定
製作者岡村 浩嗣
販売元講談社
JANコード9784062578073
カテゴリノンフィクション » 科学 » 食品・栄養学 » 栄養科学

購入者の感想

基本的で常識的な栄養学の知見が得られる、という他レビュアーの意見を参考にしつつ、
本書を読んでみた。
今一度、基本を抑えておくのも悪くないと思ったからだ。

ところが本書を読む中で、私にはこれまでの「常識」を大きく覆すと思われる記述が見つかった。

昨今、トレーニング界の常識としては、カタボリック(筋肉の分解)を防ぐために、
タンパク質をこまめにかつ大量に摂取することが推奨されている。

だいたい、普通の人で体重×1g、一般的トレーニーで体重×1.5〜2g、コンテストビルダーのようなハードトレーニーで体重×3gというのが一般的でないだろうか。
これを、トレーニング直後を含み、起きてから就寝直前まで3〜4時間置きに摂取するというのが、従来の常道ではなかっただろうか。

ところが、本書によると、そのような高タンパクの栄養摂取は必要ないらしい。

なんでも、高タンパクの食事をとると、確かに摂取時はアナボリック(筋肉の合成)が起こるものの、その後カタボリックが、あたかも反動のように生じるという。
結果それらの効果が互いに打消しあい、高タンパク摂取の効果は帳消し(もしくはマイナス)になってしまうというのだ。

一日に必要な標準的摂取量、つまり体重×1g程度摂っておけば、それで問題はないという。

ただし、運動直後にタンパク質および糖質を摂取するのは非常に有効らしく、つまるところトレーニング時に必要な栄養を補給しさえすれば、あとは通常の食事で十分だというのである。

これを我々はどう理解したらよいだろうか?

現在、ハードに体を鍛えている人たちは、一般人からすると異常ともいえる量のタンパク質を摂取している。
それが浸透しているのは、経験則としてある程度、方法の有効性が認められているからではないだろうか。

もし本書の見解が正しいなら、これまでの「常識」はずいぶん無駄なことをやっていたことになる。
あたかも、運動前の入念なストレッチが、かえって怪我のリスクを増していた、という事例のように。

タイトルは「ジムに通う人の栄養学」ですが、「ジムに通う人」だけを対象としている本でもなければ、「栄養学」だけを書いた本でもありません。

誰にとっても重要な、健康に関する知識を、栄養だけでなく運動の側面からも、科学的根拠に基づきつつ、わかりやすく紹介しています。

その際、たとえば「意外に悪くない朝食」といった観点から、「完璧主義」ではなく、無理せずに続けていける現実的な手法を提案しており、忙しい者にとっては特に有用です。

ブルーバックスから出ていますが、堅苦しい科学本ではなく、気軽に読んで活用できる本ですね。

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