回避性愛着障害 絆が稀薄な人たち (光文社新書) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル回避性愛着障害 絆が稀薄な人たち (光文社新書)
発売日2013-12-13
製作者岡田 尊司
販売元光文社
JANコード9784334037758
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 » 心理学入門

購入者の感想

種田山頭火が典型例の人として頻繁に出てきます。
幼いころに彼が負った精神的なショック、愛着対象となる母の死体を目の当たりにするショックが、後の放浪と回避の人生の起源になったとのこと。

愛着パターンというものがあり、本書には自己診断のテストがついています。

愛着パターンには、「不安型」と「回避型」というパターンもある。

回避型になると、そもそも無欲であり、無関心であり、どこかすべて他人事のように感じてしまう。
また、結婚などで親になったり、社会的立場に立つなど、責任を負うことをいやがる。

原因は、自分の頭の中で考えた、空想上のネガティブなパターンから「逃げたい」と思うことである。

現実は空想しているほどネガティブパターンばかりでもなかったりするにもかかわらず、空想に負ける。

理想が高く、思い通りに事が運ばないと「やっぱりだめだ、これしかできなかった」と、理想の高さゆえに現実を過小評価する。
こういう失敗体験が回避に拍車をかける。

暴露療法といって、何度もその事態を想像し、客観的に感じるための治療法が有効との事。エクスポージャーとも言う。

マインドフルネスという治療法も有効との事。呼吸でリラックスし、今、ここに自分が存在し、在ること自体を心地よく感じるためのリラックス法との事。
認知行動療法などで「あれもまちがってる」というような矯正していく治療法よりも、心理面や理解の速度にプラスに働くことが記載されていた。

ボランティアや、弱い者の世話をすることも回避からの脱却につながるとの事。
愛着というものが、相互関係によるものだから、貢献することで、心に変化が生まれることもあるとの事。

思い描くネガティブな状態よりも実際はマシなこともある、
結果に左右されすぎないゆとりを心に持ち、
新しいこと、やった方が自分にとって良い事をやるのが良いという立場から書かれているようでした。

一気に読んでしまった。あまりに自分に当てはまるので大きなショックを受けた。
当然占い師のようにより多くの人に当てはまるかのような表現にしているのだろうが、それにしても自分の診断結果をそのまま記述しているかのような錯覚を感じるほどだった。(巻末のテストでは回避型の点数が28点であった。)
この本を読むことで回避性愛着障害を克服することはおそらくできないが、自分がこの障害を有していることを知ることができるだけでもこの本を読む価値は十分にあるだろう。自分の生き辛さがどこから来るのかを自覚することだけでもでずいぶんと楽になると思う。
克服することだけが解決する方法ではないだろう。どのようにこの障害と共存するのか、例えば目標を変える、環境を変える、考え方を変える、生き方を変える、そのようなことでもなんらかの解決に結び付くと考えられる。

自分はまずパソコン依存を克服し、仕事との向き合い方を変えてみたいと思っている。
人間嫌い、人付き合いが苦手、親しい間柄になることができない、と思われるあなた、この本が自分を知ることのヒントになるかもしれません。

以前読んだ愛着障害と言う本と被るところがあり、感動するところまではいきませんでしたが、良い本です。
ただ、読む人を選ぶと思います。私は回避性愛着障害だと思うので入り込んで読めましたが、愛着障害がない方にとっては理解に苦しむところがあるかもしれません。なぜ自分を信じきれないのかを、自分を信じている人が理解できるとは思えません。著者も本の中で人種が違うようなことを一言書いていました。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

回避性愛着障害 絆が稀薄な人たち (光文社新書)

アマゾンで購入する
光文社から発売された岡田 尊司の回避性愛着障害 絆が稀薄な人たち (光文社新書)(JAN:9784334037758)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.