図書館奇譚 の感想

「ふしぎな図書館」（文：村上春樹＆絵：佐々木マキ）にインスパイアされた
ドイツ出版社の企画により出来上がった綺麗な本です。ストーリーは基本的には一緒、
絵はドイツ人画家カット・メンシックのものに全て変更されています。羊男の絵が
出てきた時には、思わず「怖っ！」と呟いてしまいました。佐々木マキさんのイラストに
慣れ親しんだ私には最初、この容姿に戸惑いがありましたが、慣れてくるとこっちの方が
本物（？）に近いかも、と思わせる妙な説得力があります。どちらの“羊男”も捨て難いですね。
全体的に力のこもった画風で『村上ワールド』に新鮮な印象を与えてくれました。
製本装丁は詳しいことはわかりませんが、手にとると出来の良さは感じ取れます。
値段がもう少し安ければ５★でした。村上春樹コレクターならば買いの一冊だと思います。

amazonから届いて、と思いましたが、
どこかのポイントの期限切れが近づいていますというアナウンスで
慌ててどこかのサイトで購入したそれででしたが、
村上春樹を全く読んだことのないかみさんが珍しく最初に手に取った。
コーヒータイムにあっという間に読み終わり、想像力をかき立てられたと感想を述べた。
私は過去に読んだ長編に登場してきた人物の印象を引きずりながら読みました。
何はともあれ製本装丁はには一見の価値があります。
厚口のコート紙に実際は４色オフセットにニスも加えた贅沢な印刷ですが
モノトーン調に纏められ、村上春樹得意の井戸の世界が描かれます。
絵を斜めから見ると違う絵が見えてきます。
井戸はidを意味しているのでしょうか。