同時通訳者の頭の中 の感想
参照データ
タイトル | 同時通訳者の頭の中 |
発売日 | 2013-05-30 |
製作者 | 関谷英里子 |
販売元 | 祥伝社 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 倫理学・道徳 » 人生論・教訓 |
購入者の感想
知り合いの友人が、英語の勉強にディクテーションは、必要ないと主張していた。スクリプトを見て、英語CDを聴くだけで、TOEFL110点以上取れている、という主張だ。関谷さんは、そういう資格取得のための勉強法を否定されている。確かにディクテーションやシャドーイングなどの練習法は、TOEICの点数を上げるようなことにすぐに役立つわけではないかもしれないが、本物の英語力をつけていくためには必要なものなのだと。これを読んで、やはり、ディクテーションをしっかりやっていこうと思い直すきっかけになった。ただ、本書を読んで「今度こそ英語を身に着ける」を達成できる人は、100人に一人もいないであろう。紹介されている内容は、さほど目新しいものではなく、具体的に何をどうやっていけばいいのかの指針も見えにくいからだ。タイトルの「同時通訳者の頭の中」というテーマがどれほどわかりやすく伝わっているかだが、関谷さんによれば、同時通訳者は、訳す対象の言語を「ことば」としてではなく「イメージ」でとらえているのだという。その点は目新しい著述だと思う。あとは、辞書を使った英語学習法、最近のネットを使った学習法などが述べられているが、これまでの同時通訳者の方たちが、述べてきた英語学習法と特に変わった点があるわけでもなく、やっぱり地道にコツコツやることが必要なのね、と思わされた次第である。関谷さんのいう「イメージ力」と「レスポンス力」という概念がイマイチよく理解できなかったのも残念でした。本書を通して、全体的に流れているのは、英語は「資格のために勉強するんじゃない、コミュニケーションのために勉強するんだ」という関谷さんの主張だと思います。そして、コミュニケーションのための英語は、資格を取ることの何倍も大変なんだな、ということが本書を読んで伝わってきました。一つの単語を、英和、類語、英英、コロケーション辞典、和英と、さまざまな辞書を使って調べていく、その根気のいる作業の果てに、同時通訳という離れ業が達成できるのだと思いました。いやはや凄い仕事です。